リズムとシンクロ
人間には「リズム」が必要です。音楽のリズムに合わせて体が自然に動き出すといった経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。もし、音楽のリズムが一定間隔でなかったらどうなるでしょうか。音楽に合わせて体を動かすことが難しく、見通しがたたないので音を楽しむことはできないでしょう。また、生活のリズムという言葉もあります。規則正しい一定のリズムでおくる生活が健康の基本とよくいわれます。
このように人間がストレスなく行動するには一定のリズムが必要なのです。では、みなさんの仕事にリズムはありますか? 9:00に出社、18:00に退社というのもリズムです。設計して実装してテストしてというのもリズムです。それぞれ自分なりに、毎日の仕事のパターンを持つことで、一日の達成目標を自分で決め、取り組まれているのではないでしょうか。
次に、プロジェクトチームについて考えてみましょう。チームとなると、個人ではなく2人以上の人間が関係しますので、「シンクロ(同期)」する必要が出てきます。チームのメンバそれぞれが持っているリズムをどこかでシンクロさせて、プロジェクトチームとしてのリズムを作り出す必要があります。もし、チームのリズムがシンクロしなければ混沌とした状況になるでしょう。
では、チームのリズム、シンクロはどのようにして作ればよいのでしょうか。アジャイルプロセスのイテレーションはこのシンクロをとるための仕組みの1つです。イテレーションが長いスパンのシンクロなら、1日ごにシンクロをとる方法が朝会になります。
朝会
朝会と書いて「あさかい」と読みます。もともとはアジャイルプロセスの1つであり、スクラムの中で記述されているスクラムミーティングから来ているものです。まず、朝会をやる時間を決めてメンバに通知しておいてください。あるフレックスタイム制を採用している企業のチームでは、昼休み後に「朝会」を実施していました。毎日無理なく全員が集まれる時間に設定しましょう。
朝会の時間になったら、メンバはタスクボードの前に集まります。このときは立ったままがいいでしょう。司会者の「おはようございます!」から、朝会を始めます。そして司会者は、メンバに以下の3点を質問します。
- 24時間前から今まで何をやりましたか
- 今から24時間後までに何をやりますか
- 問題点は何ですか
タスクボードの前に立ってやるのは、上記の質問のときに、タスクカードを指差しながら「これと、これをやりました。これを今日やります。」というように言葉だけでなく視覚も使ってコミュニケーションをとるためです。
1人への質問が終わったら次の人へ質問します。これをメンバ全員に行います。簡単ですね。