JavaFX用Eclipseプラグイン
JavaFX用のEclipseプラグインは、Eclipse 3.4のIDEに対してJavaFXに必要なライブラリとパースペクティブを提供し、JavaFX SDKとの関連付けを行います。JavaFX用Eclipseプラグインをインストールするには、プラグインの.zipファイルをダウンロードし、Eclipseディレクトリ内にこのファイルを展開します。また、JAVAFX_HOME変数の値をJavaFX SDKの場所に設定します。この設定を確認するには、Eclipseメニューバーの[Windows]→[Preferences]を選択します。この操作によって開く[Preferences]ウィンドウで、[Java]→[Build Path]→[Classpath Variables]を選択し、JavaFX_HOME変数が存在することと、その値がJavaFX SDKがインストールされているフォルダに設定されていることを確認します(図19を参照)。この変数が存在しないか正しく設定されていない場合は、インターフェースの[New...]ボタンまたは[Edit...]ボタンを使って、変数を適切に設定します。
EclipseでJavaFXアプリケーションを作成するには、標準のJavaプロジェクトを作成するだけで済みます。プロジェクト作成時には、Eclipseの[Package Explorer]ビューでプロジェクトを右クリックし、メニューから[JavaFX]を選択して、[Add JavaFX Nature]オプションを選択します(図20を参照)。この操作により、JavaFXライブラリがプロジェクトに追加され、プラグインに用意されたJavaFXパースペクティブでプロジェクトが開きます。
また、JavaFXプラグインは、新しいJavaFXスクリプトファイルまたは基本ステージを作成するオプションを提供することで、[New]ダイアログウィンドウを更新します(図21を参照)。Eclipseで[New]ダイアログウィンドウを開くには、メニューバーにあるEclipseの[File]メニューオプションから[New]→[Other...]を選択するか、Package Explorer内のJavaFXプロジェクトを右クリックして[New]を選択します。

Eclipse JavaFXプラグインには、NetBeansのJavaFX Paletteのように、JavaFXのコードスニペットをJavaFXコードエディタにドラッグ&ドロップできる[Snippets]ツールバーがあります。(図22を参照)。
しかし、NetBeansとは異なり、色分け表示の機能は貧弱で、コードの補完および折り畳みの機能やドキュメントのサポートはありません。しかも、現状のEclipse JavaFXプラグインにはいくつかのバグがあるようです。図23に示すように、エディタでは整数に対して型の互換性がないというエラーが誤って検出されています。幸い、この誤ったエラー検出によってアプリケーションのテストができなくなることはありません。なお、このバグは、JavaFXプラグインの課題リストにきちんと挙がっています。
NetBeansの場合と同じように、このEclipseプラグインでも次の4つの方法でアプリケーションを実行できます。
- アプリケーションとして(デスクトップで)実行
- アプレットとして(ブラウザで)実行
- Web Startで実行
- エミュレータで実行
JavaFX Scriptを実行するには、[Package Explorer]ビューで対象のJavaFXスクリプトを右クリックし、[Run As]→[JavaFX Application]を選択します(図24と図25を参照)。
こうして開く[Edit Configuration]ウィンドウで、使用するランタイム環境にふさわしいプロファイルとターゲット([Profile - Target])を選択できます。その後のアプリケーションの実行でも同じ設定、すなわち同じプラットフォームが使用されます。別のモードで実行するには、Package Explorerビューで対象のJavaFXスクリプトを右クリックし、[Run As]→[Run Configurations...]を選択します(図26を参照)。[Run Configurations]ウィンドウが開くので、そこで別のプロファイルとターゲットを選択できます。
Eclipseの設定により、アプリケーションのコンパイルと実行に使用するプロファイルを表示させることも可能です。JavaFXプロジェクトを右クリックし、表示されるメニューから[Properties]オプションを選択します。[Properties]ウィンドウで、[Java Build Path]を選択してから[Libraries]タブを選択します。このタブでJavaFXシステムライブラリのプロパティを編集するには、該当するライブラリをリストから選択して[Edit]ボタンを押します(図27と図28を参照)。[Edit Library]ウィンドウが開くので、そこで[Desktop]プロファイルと[Mobile]プロファイルの切り替えができます。[Mobile]プロファイルを選択すると、[Desktop]プロファイルの要素を伴うJavaFXアプリケーションはコンパイル(および実行)ができなくなります。これもやはり、JavaFXアプリケーションの移植性を確かなものにするための優れた安全策と言えます。
![図28 JavaFXスクリプトのコンパイル(および実行)に使用するプロファイルの変更。JavaFXシステムライブラリを探すためのJavaビルドパスを[Properties]ウィンドウで選択する](http://cz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/3921/41384fig21b.jpg)
どちらのIDEも、WYSIWYGによるドラッグ&ドロップ形式のビジュアル開発はサポートしていません。JavaFXツールに関する多くのブログ、フォーラム、コメントによれば、この機能は今後のJavaFXツールのリリースで追加されるそうです。
興味深いことに、Eclipse JavaFXプラグインは、Project Kenaiから入手できます。Kenaiには、Eclipseプラグイン以外にも、いくつかのゲームやツール、さらにはJavaFXによるTwitterクライアントまで用意されています。Sunは、多数のデモアプリケーションをjavafx.comというWebサイトで公開しています。JavaFXでどんなことができるかを示す他のサンプルについては、KenaiのWebサイトを参照してください。
まとめ
ほんの少しJavaFXに触れただけで、さまざまなプラットフォームやUI画面で動作するアプリケーションの開発、テスト、導入がすべて同じソースコードを使って行えることが分かるでしょう。現状で必要十分な機能が揃ったJavaFXツールですが、ゆくゆくはJavaFX UIの開発ブームの火付け役となるのでしょうか。デバイスベンダは本当にJavaFXプラットフォームをサポートするのでしょうか。さまざまなプラットフォームへのアプリケーションの導入はもっと簡単になるのでしょうか。今のところは誰もこうした疑問に答えられませんが、JavaFXとJavaFX Mobile は間違いなく今後に期待が持てる有望株といえそうです。



![図22 JavaFXパースペクティブを含む[Snippets]ビュー。[Snippets]ビューにより、開発者はよく使われるJavaFXコードのコンポーネントやスニペットを編集中のJavaFXスクリプトにドラッグ&ドロップできる](http://cz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/3921/41384fig17_s.jpg)



![図26 ランタイム環境の変更。[Run Configurations...]を選択して[Profile - Target]を変更することでランタイム環境を変更する](http://cz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/3921/41384fig20_s.jpg)
![図27 JavaFXシステムライブラリのプロパティ編集。JavaFXシステムライブラリをリストから選択して[Edit]ボタンを押すとそのライブラリのプロパティを編集できる](http://cz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/3921/41384fig21a_s.jpg)