おわりに
今回は、アジャイル開発における計画、およびプロジェクトサイクルの全体像について解説しました。
プロジェクトがおかれたさまざまな状況により計画は異なりますが、アジャイル開発によるプロジェクトの経験値はあちこちで溜まってきており、現実的なプロジェクト運営方法が見えてきているようです。
ウォーターフォール開発で培ったノウハウでプロジェクトの運営をサポートしつつ、スケジュールを固定してスプリントをリズミカルにこなしていくことで包括的なプロジェクト運営が行なえることでしょう。
今月の復習問題
以下の問題文を読んで、正しいものに○、間違っているものに×を付けてください。
- 問題1:アジャイル開発の計画では、「スコープ」を変動要素とする。
- 問題2:アジャイル開発の計画ではプロダクトバックログのみを使えば十分である。
- 問題3:アジャイル開発では計画の修正を頻繁に行なっても良い。
復習問題の答え
- 問題1:○
- 問題2:×
- 問題3:○
顧客の要求変化や開発中のフィードバックに基づいて、スコープは頻繁に見直す。一方、スケジュールとリソースは一定にして開発リズムを安定させる。
必要に応じてWBS等で、開発外のタスクと実施時期・リソース配分などを計画する。
スプリント単位やマイルストーン単位にスコープを変更する。
ホワイトラム45ml、ブランデー10ml、レモンジュース5mlを氷と一緒にシェイクし、カクテルグラスに注いで出来上がり。凛とした気品が漂う辛口の大人のカクテルです。
皆さんは「ラスト・キッス」という名前で何を連想しますか。恋人とのおやすみのキッスであれば、またすぐに会える甘いキッスですし、恋人との別れのキッスなら、少しほろ苦くちょっぴり悲しいキッスでしょう。人それぞれの境遇や経験により、同じ言葉でもまったく意味合いが異なるから面白いですね。
「アジャイル開発」という言葉も、いろいろな見方があって面白いです。アジャイル開発におけるウォーターフォール的な面、計画の3要素のうち犠牲になるのはどれか、4段階のタイムボックスに共通するフラクタルな構造、4段階それぞれにおける計画調整の違い、内部の和気藹々開発と外部ステークホルダーへの説明、ウォーターフォールとアジャイルをトップダウンとボトムアップで対比、私も思わず「おお、そんな視点で捉えることもできるんだ!」とうなってしまいました。
物事の本質を掴んで使いこなすには、一方的な思い込みだけではうまくいきません。こうした多面的な視点を持ち、その特性を深く理解してこそアジャイルを効率的に取り入れた開発ができるのだと改めて思いました。カンパーイ!(梅)