Google Developer Day 2010 Japan開催
9月28日、グーグル主催のデベロッパー向けイベント「Google Developer Day 2010 Japan」が東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催された。2007年の初開催から4回目にあたる。今回はサテライト会場として京都リサーチパーク(京都府京都市)が用意され、ビジネス向けのセッションやパートナーによる展示も行われるなど、開催規模が拡大した。前日には、グーグルの技術に馴染みが少ない技術者を対象としたイベント「Boot Camp」も行われている。
基調講演では、大きく3つのテーマ「HTML5」「Android」「Google App Engine」について最新動向が紹介された。
HTML5は既に実用化のフェーズへ突入
グーグルの及川卓也氏は、まずHTML5について「人々がインターネットに費やす時間が増大し、今やライフラインを支える存在になっている。そこで必要となるが、特定のベンダーに左右されないWeb標準の技術。そのような要求に応えるのがHTML5だ」と説明した。
またHTML5が、従来の機能の有無・実現の可否を議論する段階から、実現できることを前提に、どれだけ高いパフォーマンスが実現可能かを検証する実用化のフェーズに入ってきていることを強く主張した。この主張を裏付けるデモとして、Google Chromeの開発版を使い、GPUアクセラレーションやモーションセンサー、ローカルファイルへのアクセス機能を活用する様子を紹介した。
HTML5の仕様策定を進めるW3Cで、日本側の取りまとめをしている慶応大学大学院 一色正男教授も、「HTML5によってWebはただ閲覧するものからアプリのプラットフォームへと進化した。劇的な変化により、ビジネスの根幹も転換の時期を迎えている。ぜひ、このイノベーションの流れに乗り、日本からも国際標準に沿った新しいビジネスを作っていって欲しい」と述べた。
及川氏は続いて、適用範囲に広がりを見せるWebアプリケーションの課題として、次の3点を挙げた。
- 見つけにくい(パッケージアプリのように家電店やECサイトといった販促手段がない)
- 一度見つけても忘れてしまいがち
- マネタイゼーション(収益化)
この改善策としてグーグルが提案するのが「Chrome Web Store」だ。Webブラウザ「Google Chrome」の拡張機能ギャラリーをベースにしたオンラインストアで、無償・有償問わず、検索しやすく簡単にインストール可能なアプリをブラウザ上で提供する。現在、開発者向けプレビュー版が公開されており、代表的な機能を盛り込んだサンプルとして、ストレージサービス「Fiabee」のアプリが紹介された。
オープンなプラットフォームの普及はPCに限らず、スマートフォンにも当てはまる。続いて、ティム ブレイ氏により「Android」の近況が紹介された。