はじめに
前回は、ASP.NET MVCによるWindows Azureアプリケーションの開発について解説しました。シリーズ第5回となる今回は、PHPによるWindows Azureアプリケーションの開発方法について取り上げます。EclipseとWindows Azure Tools for Eclipseプラグインを使用するなら、簡単にWindows Azureで動作するPHPアプリケーションを作成できます。
対象読者
- クラウド技術に興味がある方
- Windows Azureに興味がある方
- PHPによるWindows Azureアプリケーション開発に興味がある方
PHPによるWindows Azureアプリケーション開発の概要
Windows Azureで動作するPHPアプリケーションの仕組みについて、まず理解しておきましょう。
Windows Azureプラットフォームの非.NET環境への対応
前回までの記事で見てきたとおり、Windows Azure Tools for Microsoft Visual StudioをインストールしたVisual StudioおよびVisual Web Developerを使用するなら、C#やVisual Basicなどの.NET言語を用いて容易にWindows Azureアプリケーションを作成できます。
一方で、マイクロソフトは非.NETの言語やプラットフォームからのWindows Azure利用を促進するために、Windows Azure Platformの公式サイトの中で、コミュニティベースで開発された非.NET言語向けのSDKやツールなどの技術情報の提供を積極的に行っています。
本稿執筆時点では、PHP、Ruby、Python、Javaなどの言語からWindows Azure Platformと連携することが可能になっています。その中には、PHPやJava用のEclipseプラグイン、Java、PHP、Ruby用の各種SDKなどが含まれます。また、Windows AzureはFastCGIをサポートしているため、FastCGIでサポートされるPHPなどで書かれたWebアプリケーションをWindows Azureで実行できます。Windows AzureでMySQLやTomcatなどを動作させることも可能です。
詳細や最新情報については、Windows Azure Platformの日本語公式サイトのトップページから、[開発者向け情報]メニューの[Windows Azureの相互運用性(Interoperability)]をクリックして、「Windows Azure Platformと相互運用性」ページを参照ください。現時点では日本語リソースはあまり多くありませんが、多くの有益な技術技術を得ることができます。
Windows Azureで動作するPHPアプリケーションの開発環境
本稿では、非.NET言語の中でも特にPHPに焦点を当てて解説します。
本稿執筆時点では、Windows Azureで動作するPHPアプリケーションを開発するための環境として、主に次の2つが挙げられます。
- Visual Studio
- Eclipse PDT+Windows Azure Tools for Eclipse(WindowsAzure4e)
続く部分では、これら2つの開発環境を使用して、Windows Azureで動作するPHPアプリケーションを開発する方法について解説します。