2月に開催予定の「Developers summit」(通称デブサミ/主催:翔泳社)では、ミクシィ主催によるハッカソンが行われる。
今回のハッカソンのメインテーマは、9月10日にmixi Platformの1つとして公開された「mixi Graph API」を利用したアプリを作ること。CodeZineでは、株式会社ミクシィのパートナーサービス部 開発マネージャ 田中洋一郎氏に、「mixi Graph API」の特長、また「mixi Graph API」をハッカソンのメインテーマに設定したミクシィの狙いについて、取材を行った。
mixiのソーシャルグラフを活用できる「mixi Graph API」
「mixi Graph API」とは、9月10日にmixi Platformの1つとして公開されたAPI。これまでは法人のみ利用可能だったが、12月20日より個人での利用も可能になった。このAPIを使用すると、誰でもmixiのソーシャルグラフや各種機能を利用したアプリを作成できる。もちろん、自身のサイト上での展開も可能で、欲しい機能のみアプリに取り入れることができるため、比較的自由度が高いものとなっている。
2011年2月より提供予定となっているソーシャルフォンサービスにも、このmixi Graph APIが利用されている。このサービスでは、mixiの機能とスマートフォンの機能を連動させることで、友人や知人とのコミュニケーションをより便利に楽しむことができる。今後、ソフトバンクのスマートフォンには、ソーシャルフォンサービスを利用したmixiのさまざまな機能がプリインストールされた状態で発売される予定だ。
現在、mixi Graph APIを利用して作成されたアプリは数がそれほど多くなく、未開拓な状態となっている。ソーシャルフォンサービスに対応したスマートフォンが発売され市場に出回ることにより、mixi Graph APIを使ったアプリの需要は増えていくと考えられる。
「mixi Graph API」公開によるエンジニアのメリット
田中氏は、mixi Graph APIを公開したことによるエンジニアにとってのメリットには、次の2つがあると説明した。
まず1つは、スマートフォンアプリ開発者にとってのメリットがある。スマートフォンアプリの市場では、自分が作成したアプリがなかなか使われないという問題がある。マーケットの新着に掲載されている間は注目される機会もあるが、次々に作成されていくアプリの中に埋もれてしまい、気付かれないまま終わってしまうことも多い。
「ここで、mixiの持つソーシャルグラフの力により、従来と違うアプリケーションの普及のさせ方ができるのでは」と、田中氏は言う。作成したアプリを誰か1人に使ってもらえれば、アプリの評判が友人などに普及していき、その後の広がりが期待できる。アプリがヒットする可能性を秘めているため、エンジニアにとっては充分なモチベーションになるだろう。
2つ目は、Web系エンジニアにとってのメリットとして、mixiの認証をしたうえでmixi内にある蓄積されたコンテンツをマッシュアップし、Webサービスに利用することで、サービスをmixiのボイスで宣伝でき、評価してもらうことができる点だ。その評判を聞き、結果的に人がサイトに確実にまた戻ってくることが期待できる。