SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Visual Studio 単体テスト機能大全

Visual Studioで作る単体テスト、基本のき
(VS2010向け改訂版)

Visual Studio 単体テスト機能大全(1) 改訂版

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

作成の手順

 では、実際に作成してみましょう。VSで単体テストを行いたいメソッドを開いた状態にします。次に対象メソッドのブロック内でコンテキストメニューを表示し、[単体テストの作成]を選択します。

図1 単体テストの作成ステップ1
図1 単体テストの作成ステップ1

 単体テストの作成ダイアログが表示され、選択したメソッドにチェックが付いていることを確認します。

図2 単体テストの作成ステップ2
図2 単体テストの作成ステップ2

 そのままOKを選択するとテストプロジェクト名の入力ダイアログが開きますが、そのまま作成してしまいましょう。

図3 単体テストの作成ステップ3
図3 単体テストの作成ステップ3

 VSが必要な項目を自動で追加していき、今回の場合は「CalculaterTest.cs」ファイルが作成され、それがエディタ上で開いている状態になりました。ファイルを少し下の方まで確認していくとAddTestという名前のメソッドがあることが確認できます。これがCalculaterクラスのAddメソッドをテストするためにVSによって自動生成されたテストメソッドです。

[リスト2]AddTestメソッド
[TestMethod()]
/// <summary>
///Add のテスト
/// </summary>
public void AddTest()
{
  Calculater target = new Calculater(); // TODO: 適切な値に初期化してください
  int x = 0; // TODO: 適切な値に初期化してください
  int y = 0; // TODO: 適切な値に初期化してください
  int expected = 0; // TOOD: 適切な値に初期化してください
  int actual;
  actual = target.Add(x, y);
  Assert.AreEqual(expected, actual);
  Assert.Inconslusive("このテストメソッドの正確性を確認します。");
}

 ただし、このままではテストを実行することはできません。「// TODO:」となっている行が4行ありますがコメントの内容に従って適切に値を設定していく必要があります。値の設定が終了したらテストメソッドの最後にあるAssert.Inconslusiveメソッドの行を削除またはコメントにして設定は終了です。試しに設定したものをリスト3に示しますので参考にしてみてください。

[リスト3]編集後のAddTestメソッド
[TestMethod()]
/// <summary>
///Add のテスト
/// </summary>
public void AddTest()
{
  Calculater target = new Calculater();
  int x = 10;
  int y = 5;
  int expected = 15; //結果の期待値を設定します
  int actual;
  actual = target.Add(x, y);
  Assert.AreEqual(expected, actual);
  //Assert.Inconslusive("このテストメソッドの正確性を確認します。");
}

 これでテストの作成は完了です。最後にAddTestメソッドのブロック内でコンテキストメニューを表示し、[テストの実行]を選択します。

図4 テストの実行
図4 テストの実行

 AddTestメソッドのテストが開始され、実行が終了すると、結果がテスト結果ウィンドウに表示されます。今回は既にメソッドの中身を実装済みで期待値と結果が一致したので成功(緑色)となりました。

図5 テストの実行結果(成功の場合)
図5 テストの実行結果(成功の場合)

 試しにさきほどのリスト3にあったexpected変数の値を期待する計算結果と異なる値、例えば20に変更してから再度実行してみましょう。期待する値と結果が異なりますのでテスト結果ウィンドウに今度は失敗して赤色のアイコンがついた結果が表示されます。失敗した行をダブルクリックするとテストの詳細を確認することができ、何が間違っているかを確認することができます(もちろん成功の時にも行をダブルクリックすれば実行結果の詳細を確認することができます)。

図6 テストの実行結果(失敗の場合)
図6 テストの実行結果(失敗の場合)

補足・注意事項

 以上で実装済みメソッドから単体テストを作成し、実行するところまでを見てきましたが、何点か補足と注意事項を確認しておきましょう。

 まず、定義済みメソッドのコンテキストメニューから単体テストの開始を実行するためには、対象メソッドを含むプロジェクトがビルド可能な状態になっている必要があります。これは、[単体テストの作成]ダイアログ(図2)をVSが表示する時にビルド済みアセンブリからメソッド情報を取り出しているためです。

 次に、図2の下部を確認すると分かりますが、今回は新しいテストプロジェクトをC#で作成しています。既にソリューション内にテストプロジェクトがある場合には図7に示すようにそれを選択することも、さらに追加でC#やVisual Basic(VB)、C++でテストプロジェクトを作成することもできます。

図7 テストプロジェクトの選択
図7 テストプロジェクトの選択

次のページ
publicメソッド以外の単体テストを作成する

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Visual Studio 単体テスト機能大全連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト りばてぃ(リバティ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/5826 2011/04/04 14:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング