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Visual Studio 単体テスト機能大全

Visual Studioで作る単体テスト、基本のき
(VS2010向け改訂版)

Visual Studio 単体テスト機能大全(1) 改訂版

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InternalsVisibleTo属性を利用した作り方

 publicメソッド以外のメソッドの単体テストを作成するには、プライベートアクセッサーを利用するという方法がありました。しかし、先ほど少し触れたようにプライベートアクセッサーは本当のテスト対象クラスとはまったく異なるクラスであるため、クラスそのものをきちんと利用したい場合には具合が悪いことがあります。例が少し悪いですが、次のリスト6をご覧ください。

[リスト6]テスト対象クラス、メソッドの一式
namespace ClassLibrary1
{
  public class Class1
  {
    internal Class2 CreateClass2()
    {
      return new Class2();
    }
  }

  internal class Class2
  {
  }
}

 CreateClass2メソッドを対象にプライベートアクセッサーを利用した方法でテストメソッドを作成するとリスト7のようになります。

[リスト7]プライベートアクセッサーを利用したテストメソッド
/// <summary>
///CreateClass2 のテスト
/// </summary>
[TestMethod()]
[DeploymentItem("ClassLibrary1.dll")]
public void CreateClass2Test()
{
  Class1_Accessor target = new Class1_Accessor(); // TODO: 適切な値に初期化してください
  Class2_Accessor expected = null; // TODO: 適切な値に初期化してください
  Class2_Accessor actual;
  actual = target.CreateClass2();
  Assert.AreEqual(expected, actual);
  Assert.Inconclusive("このテストメソッドの正確性を確認します。");
}

 ここで、target.CreateClass2メソッドは本来であれば、Class2のインスタンスを返却してほしいところですが、Class2_Accessorクラスのインスタンスを返却してきてしまいます。処理そのものは継続することができますが、Class2のインスタンスかどうかを確認したい場合にはこれでは都合が悪いこともあります。

 既にリスト7のテストメソッドを実際に作成されている場合にはお気づきかもしれませんが、テストメソッドを作成する際に図10のようなダイアログが表示されることがあります。

図10 InternalsVisibleTo属性の利用
図10 InternalsVisibleTo属性の利用

 これは、テスト対象のメソッド(およびその引数、戻り値)にinternal属性がついたクラスを利用している場合に表示されます。この機能はあるアセンブリ内にあるinternal属性のクラスを指定した別のアセンブリにのみ公開するという機能です。VS2005のころはC#プロジェクトでしか利用できませんでしたが、VS2010(VS2008以降)ではVBプロジェクトでも利用することができるようになっています。この機能を利用してテストメソッドを作成するとリスト7のテストメソッドはリスト8のように変更されます。

[リスト8]InternalsVisibleTo属性を利用したテストメソッド
/// <summary>
///CreateClass2 のテスト
/// </summary>
[TestMethod()]
public void CreateClass2Test()
{
  Class1 target = new Class1(); // TODO: 適切な値に初期化してください
  Class2 expected = null; // TODO: 適切な値に初期化してください
  Class2 actual;
  actual = target.CreateClass2();
  Assert.AreEqual(expected, actual);
  Assert.Inconclusive("このテストメソッドの正確性を確認します。");
}

 このようにpublicメソッドをテストする時となんら変わらない状態になりました。なお、InternalsVisibleTo属性はテストされる側のアセンブリのAssemblyInfo.cs(VBプロジェクトの場合はAssemblyInfo.vb)ファイル内に記述されています。InternalsVisibleTo属性の内容を変更したり削除したりする場合には確認する場所に注意してください。

次のページ
テストメソッドからメソッドスタブを作成する

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト りばてぃ(リバティ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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