ホストヘッダーの構成
ここではホストヘッダーを用いた複数サイトの構成方法を説明します。このようにすることで、1つのIPアドレスとポートを使用して複数サイトをホストすることができます(図6)。
サンプルファイルのHostHeaderSampleフォルダにソリューションが格納されています。ソリューションには、WebロールプロジェクトとASP.NET Webアプリケーションプロジェクトが定義されています(図7)。本サンプルでは、WebRole1を、xxx.examle.comとして、WebApplication1をyyy.example.comして定義してみます。
ソリューションエクスプローラーからサービス定義ファイル(ServiceDefinition.csdef)を選択して開きます。サービス定義ファイルに、太字部分がサンプルでの追加部分です(リスト5)。
ホストヘッダーを使用するには、Binding要素のhostHeader属性に定義します。このように定義することで、複数のWebサイトを1つのアドレスに割り当てることができます。
*1の定義により、xxx.example.comでアクセスした場合はWebRole1に、*2の定義によりyyy.example.orgでアクセスした場合は、WebApplication1にそれぞれ割り振られます。
<WebRole name="WebRole1">
<Sites>
<Site name="Web">
<Bindings>
<Binding name="Endpoint1" endpointName="Endpoint1" />
<Binding name="Endpoint1" endpointName="Endpoint1" hostHeader="xxx.example.com"/> *1
</Bindings>
</Site>
<Site name="Web2" physicalDirectory="../WebApplication1">
<VirtualDirectory name="Image" physicalDirectory="../WebRole1/Image"/>
<Bindings>
<Binding name="Endpoint1" endpointName="Endpoint1" hostHeader="yyy.example.net" /> *2
</Bindings>
</Site>
</Sites>
...
</WebRole>
各サイトの違いが分かるように、内容の表示を行いますが、前述したサンプルを流用します(リスト4)。
さて、このサンプルを実行するには、%windir%\System32\drivers\etc フォルダに格納されているhostsファイルの編集が必要です。それぞれのURLを、127.0.0.1へ割り当てます(リスト6)。
127.0.0.1 xxx.example.com 127.0.0.1 yyy.example.net
本サンプルは、Windows Azureではなく、開発環境上のコンピュートエミュレーターで実行します。それぞれのURLでアクセスすると、表示されるWebサイトが割り振られることが確認できます(図8)。
Windows Azure環境で実行確認したい場合は、パッケージを配置した後に、管理ポータルから割り当てられたIPアドレスを確認し、hostsファイルを編集してください。
まとめ
Full IISとは、特別なIISではなく、通常利用しているIISと同じということが理解していただけたでしょうか。逆を返せば、今までWindows Azureに搭載されていたIISは制限されたものであったと言えます。
今回はサービス構成ファイルを使用した範囲でのカスタマイズでしたが、次回はスタートアップタスクと組みあわせたIIS自体の構成変更方法について紹介します。

