専用コマンドを実行するだけで、ビルド~解析~結果の送信が完了
Coverity Static Analysis導入の事前準備であるコンパイラの設定は、GNU gcc、MS Visual Studio、Wind River C/C++、TI Code Composer、ルネサス C/C+コンパイラ、QNX C/C++、Freescale Codewarrior、ARM C/C++など、使用しているコンパイラに対して次のコマンドを1度実行するだけでOKです。
cov-configure -comptype <コンパイラタイプ> --compiler <コンパイラコマンド名> [<オプション>]
次に、CIMサーバ上にプロジェクト/ストリームと呼ばれる解析結果の保管場所を準備します。
準備が整ったら、解析のためのビルド処理を行います。次のように、既存のビルドコマンドを呼び出せば、ビルドを監視して解析に必要なデータを中間ディレクトリに保存します。
cov-build -dir <中間ディレクトリ> <makeやantといったビルドコマンド>
続いて、解析処理です。ビルド処理と同様にこちらも次のような専用コマンドを呼び出すだけ。ビルド処理で中間ディレクトリに保存されたデータの解析が始まります。
cov-analyze -dir <中間ディレクトリ> [オプション]
解析結果を管理するため、CIM側に結果を送信します。これも専用のコマンドで行います。
cov-commit-defects -dir <中間ディレクトリ> --host <CIMホスト名> --stream <CIMストリーム名> --user <CIMユーザー名> --password <CIMパスワード>
CIMに送信された不具合の情報は、WebブラウザかIDEから、閲覧・管理ができます。検出された結果は、不具合の影響度が自動判別されます。また柔軟なフィルタ機能により、不具合修正の優先順位をつけることができます。
Coverity Static Analysisが発見可能な不具合は、リソースリーク、未初期化の変数、並列処理時の問題、メモリー破壊、不正なメモリーアクセス、APIの誤用、インデックス処理の間違い、プログラムのハングアップ、パフォーマンス、セキュリティの問題、コードの保守性など多岐に渡ります。次ページから、最新バージョンである5.5で強化された点について説明します。