対応アドネットワークは随時追加
機能面もアドサーバ関連を中心に強化予定
このような機能を備えるAdStirだが、今後のロードマップはどうなっているのだろうか。
まずは肝心のアドネットワークの対応状況。ngi group株式会社 メディアプラットフォーム事業部の植雄平事業部長によると、AdStirが現在対応しているアドネットワークは複数社にわたるが、当面は主要アドネットワーク10社程度との連携を目指し、随時対応先を増やしいていくとのこと。スマートフォンアドネットワークが有する広告在庫として8割程度はカバーし、アプリ事業者/Webメディア運営者をサポートする計画だ。
機能面についても「AdStirはまだ始まったばかり」(植氏)と強化に向けて意欲を示す。特にアドサーバ関連機能として、前編でも述べた「キャリア識別配信」や「フリークエンシーコントロール」などの広告配信部分で追加機能をリリースしていきたいと話している。また、海外対応も進めており、現在AdStir導入マニュアルwikiについては英語化が完了、近日AdStir管理画面の英語版をリリースする予定だ。
AdStirでスマートフォン広告の市場自体をより魅力的なものにしたい
AdStirも「始まったばかり」なら、スマートフォン向けの広告市場もまだ始まったばかり。利用者数が増え続けているとはいえ、アプリ/Webメディアの広告露出量はまだ少ない。また、出稿した費用対効果を加味すると、広告主側にしてみたらモバイルよりは単価は比較的高いというのが正直なところだろう。
まだ未開拓な市場に出稿しようという広告主に対して、ユーザ集客の側面を担う意欲的なアプリ開発者/Webメディア運営者を、収益面/配信システム面で支援し、スマートフォン広告の市場全体をより魅力的なものにしていきたい――。そんな思いや、利用料金無料でマージン等が一切発生しない点も評価されてか、大手のアプリ/Webメディア事業者の中からも、AdStirの導入に向けて動き出しているところが現れ始めている。
「簡単なサービスで、すごくシンプルにつくっています。収益性はさておき、まずはご利用いただき、評価/フィードバックから改善を進めたいですね。今後は、アプリ事業者様/メディア運営者様の収益性をより高め、かつ広告主様のお役に立つようなサービス構造を構築したいと考えています」(植氏)
これから、どれだけのスマートフォン向けアプリ/Webメディアが広告モデルで成功を収め、その陰でどれだけAdStirが貢献することになるのか。スマートフォンがさらに盛り上がっていくよう、AdStirの今後の活躍に期待したい。