MVC 3におけるDIを使い分ける指針
MVC 3はASP.NET Web Formでは実現しづらかった単体テストを実現しやすくなっています。リポジトリパターンは、データアクセス部分を行うロジックを、データアクセスするためのインターフェイスを実装したクラスを利用することで、Controllerからデータアクセスロジックを分離させ、テストも容易に実現できるようになりました。MVC 3におけるDIはリポジトリパターンに加えて、クラス間も疎結合にすることで、より細かな単体テストやが実施できるようになります。
MVC 1、2ではDIを利用する際にはControllerオブジェクトを生成する時に使用されるIControllerFactoryインターフェイスを利用して実装していました。MVC 3では、IControllerActivatorなどのインターフェイスとNinjectを利用することで容易にDIの実装ができます。
ただし、DIを利用するデメリットとして、依存関係を分離していく過程でクラスやインターフェイスが増大し、プロジェクト全体が見渡しづらくなることもある点には留意が必要です。
開発規模により、DIによるコードの複雑化がテストの容易性というメリットを打ち消すこともあるので、DIの利用はまさにケースバイケースといえます。MVC 3におけるDIの導入の賛否は多くあると思いますが、今回はあくまでMVC 3と新機能として提供されているインターフェイスやDIとの親和性についてご紹介します。MVC 3開発をする際にDIの利用を推奨するわけでも、否定するわけでもない点にはご理解ください。
MVC 3におけるDIの利用方法
MVC 3において、DIを実現するためのDIコンテナは用意されていません。しかし、DIを実現のサポートをするインターフェイスがMVC 3で新たに追加されています。
| インターフェイス | 概要 |
| IControllerActivator | DIを使用してコントローラーの生成をコントロールする |
| IDependencyResolver | DIを解決するサービスロケータ―を定義する |
| IViewPageActivator | DIを使用してViewPageのインスタンスをコントロールする |
今回はMVC 3におけるDI実装の基本となるIDependencyResolverインターフェイスを使用したサンプルを構築します。
それでは、本題となるDIの実装に触れていきます。
Ninjectを利用したデータアクセス部分のDI実装
それではDIの実装を行っていきます。今回作成するサンプルはリポジトリパターンで実装したプロジェクトをDI対応させます(図3)。
実行結果自体は、図4~5のように通常の動作通りとなります。
設定項目は次のとおりです。
- Ninjectのインストール
- リポジトリパターンの用意
- IDependencyResolverインターフェイスを実装したクラスの作成
- Ninjectを使用した処理の記載
- Global.asaxへのDIコンテナの登録
リポジトリパターンの用意
『ASP.NET MVCの開発応用編1 ~リポジトリパターンをマスターする~』で紹介したリポジトリパターンをMVC 3ベースで再実装します。詳しくはサンプルプロジェクトを参照してください。
リポジトリパターンではインターフェイス越しにデータアクセスを行うため、モックとの実環境の差し替えが容易に行えます。
続いて、この環境をDI化させます。実装の概要は図6のようになります。




