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マンガで分かるプログラミング用語辞典

「配列」
~マンガでプログラミング用語解説

マンガで分かるプログラミング用語辞典(21)

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解説

 プログラミングでは、人間が扱えないような複雑な計算をしたり、大量のデータを扱ったりします。そういった「多くの値を持つデータを扱う」際に重要になるのが、「配列」という概念です。

 配列は、いくつもの値をまとめて、1つの変数で表現する方法の一つです。例えば、生徒の成績を扱うような場合に、生徒1人ずつに変数を作るのではなく、生徒をひとまとめにした変数を作ります。

 この違いを、JavaScritを例にとって示してみます。

// 個別の変数で扱うのではなく……
var seito0 = 100;
var seito1 = 75;
var seito2 = 64;
:
var seito29 = 85;

// 配列として、1つの変数で表す
var some_seito = new Array(30);  // 30個の値を持つ配列を宣言
some_seito[0] = 100;
some_seito[1] = 75;
some_seito[2] = 64;
:
some_seito[29] = 85;
// 変数some_seitoの中には「100, 75, 64, … 85」という値が入っている。

 配列は、内部に複数の値を持ちます。そのそれぞれの要素は「[ ]」を利用して参照します。「[0]」とすることで、配列内の0番目の要素を参照できます。「[1]」とすることで配列内の1番目の要素を、「[2]」とすることで配列内の2番目の要素を参照できます。配列内の要素は、0から順番に数えて「要素数-1」までの整数で参照します。

 この「[ ]」の部分を添え字と呼びます。

要素数30個の配列
配列[0] ← 0番目の値を参照
配列[1] ← 1番目の値を参照
配列[2] ← 2番目の値を参照
:
配列[29] ← 29番目の値を参照

 要素数の範囲外の整数を添え字に指定した場合の挙動は、プログラミング言語によって違います。要素数以上の値を指定した場合は、以下の2つのケースがあります。

  • エラーになる(存在しない要素の位置を参照することはできないので、エラーと判定する)
  • 配列の要素数が自動的に増える(存在しない要素の位置を指定した場合は、エラーにならないように、その位置まで要素数を自動で増やす)

 また、マイナスの値を指定した場合の挙動も、プログラミング言語によって違います。

 要素内に入れる値についても、プログラミング言語によって仕様が違います。数値や文字列のような、同じ種類の値しか入れられないプログラミング言語もあれば、何でも入れられるプログラミング言語もあります。詳しくは、使用するプログラミング言語の仕様を調べてください。

 各プログラミング言語では、配列の要素数を取得する方法が用意されています。JavaScriptの場合は、変数の後に「.length」と書くことで取り出せます。この方法も、プログラミング言語によって異なります。

// 要素数の取り出し(JavaScriptの場合)
var some_seito = new Array(30);  // 30個の値を持つ配列を宣言
var ninnzuu = some_seito.length;

 配列は、今後で出てくる「ループ処理」と組み合わせることで威力を発揮します。大量のデータに対して、同じような処理を連続的に与えていくことが可能です。

 ループ処理の説明はまだですが、どういった場面で、配列が使えるか挙げておきます。

  • 多くの人の成績や身長、体重といったデータの平均や分布を調べる
  • 各地域の統計データを並べ替えて、順位を付ける
  • 毎日の売り上げのデータを1か月分持ち、指定した日の情報を見たり、合計値を出したりする
  • 画像の画素(1ドットずつの色のデータ)を連続的に処理して、フィルターを掛ける

サンプル

 配列を使った処理を、JavaScriptで簡単に書いてみます。

<html>
    <head>
        <title>「配列」のサンプル</title>
    </head>
    <body>
        <pre><script type="text/javascript">
            var some_seito = new Array(8);  // 8個の値を持つ配列を宣言
            some_seito[0] = 100;
            some_seito[1] = 75;
            some_seito[2] = 43;
            some_seito[3] = 79;
            some_seito[4] = 54;
            some_seito[5] = 98;
            some_seito[6] = 83;
            some_seito[7] = 31;

            document.writeln("配列の要素数 : " + some_seito.length);
            document.writeln("0番目の要素 : " + some_seito[0]);
            document.writeln("1番目の要素 : " + some_seito[1]);
            document.writeln("7番目の要素 : " + some_seito[7]);
            document.writeln("--------------------");
            document.writeln("● 要素数以上を参照");
            document.writeln("8番目の要素 : " + some_seito[9]);
            // 出力される「undefined」は「未定義」「確定していない」という意味
            document.writeln("--------------------");
            document.writeln("● 要素数以上に値を入れた後に参照");
            some_seito[8] = 88;
            document.writeln("8番目の要素 : " + some_seito[8]);
            document.writeln("配列の要素数 : " + some_seito.length);
        </script></pre>
    </body>
</html>
出力結果)
配列の要素数 : 8
0番目の要素 : 100
1番目の要素 : 75
7番目の要素 : 31
--------------------
● 要素数以上を参照
8番目の要素 : undefined
--------------------
● 要素数以上に値を入れた後に参照
8番目の要素 : 88
配列の要素数 : 9
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この記事の著者

柳井 政和(ヤナイ マサカズ)

クロノス・クラウン合同会社 代表社員http://crocro.com/オンラインソフトを多数公開。プログラムを書いたり、ゲームを作ったり、記事を執筆したり、マンガを描いたり、小説を書いたりしています。「めもりーくりーなー」でオンラインソフト大賞に入賞。最近は、小説家デビューして小説も書いています(『裏切りのプログラム』他)。面白いことなら何でもOKのさすらいの企画屋です。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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