トーク:Defining and building your AWS infrastructure with Python
次のセッションは、こちらのAmazon Web Servicesがらみのものに参加しました。Python botoを使ったAWSサービスの管理のデモです。AWSのなかでもEC2やS3などを使って、実際にコードやコマンドを実行しながらライブデモをしています。
AWSはAmazonから提供されている管理画面(Management Console)からの操作しか経験がなかったので、こういう世界があるんだな、と新鮮でした。それ以外にもこのプレゼンが上手だなと思ったのは、
- スライドを使ったプレゼン
- ソースやコマンドを一緒に実行していく手元の操作
- その結果のライブデモの画面
がうまく配分されていたところでした。スライドだけの発表だと実際の作業感覚がわかないですし、技術系のカンファレンスとしては物足りないところがあります。ソースやコマンドを黙々と講演者が打ち続けるのも、せっかくのプレゼンする機会を活かしきれていない、とも思います。とはいえ、ライブデモは講演環境によっては発表本番で動かないリスクもあるという、講演者の方達はかなり難しいことに挑戦されているんだと思います。Georgeも講演途中で、「ちゃんと動くといいんだけどなぁ。時々壊れるんだよね」とEC2とS3を使った写真アップロード機能をライブデモしています。素晴らしい講演の裏には、大変な努力があるのだろう、と一聴衆として発表を楽しみました。
トーク:Python for Blackbox Testers
この方は、先ほど一緒に写真撮っていたインド人のブラックボックステスターの方です。もともとコーディングスキルのなかった彼が、手作業でのブラックボックステスターからはじめて、テストの自動化を覚えるうちに、徐々にプログラミングの力と、いかにプログラミングがプログラマー以外でも毎日やっている繰り返し作業を効率化できるかをプレゼンしています。
プレゼンの見せ方そのものも上手ですし、セッションの前にいろいろと話していた「知っている人」がプレゼンしていると思うだけで聞き入ってしまいます。彼のメッセージは一貫していて、「俺みたいな、もともとプログラミングできなかった人もこういう集まりにどんどんくればいいのにね。Python使えばどんなことできるか知ったらびっくりすると思うよ。日本はどうなの? 行けたらな~」なんて言っていました。
トーク:Graph everything!
今日最後の発表です。さすがに少し疲れてきましたが、楽しい1日ももう少しで終わってしまいます。今度のトークは時系列データの視覚化です。講演者はIP電話サービスを提供しているPlivoの方で、IP電話サービスのサービスボトルネックを探したり、ユーザが使用量などを確認する画面に使っているGraphiteと、それに関連するライブラリやツールの紹介でした。
データ視覚化はd3.jsでも盛り上がっている分野ですが、こちらは時系列データに絞ったライブラリとデータベースです。WebアプリはDjangoベースのGraphite、視覚化部分のJavaScriptはd3.jsベースのGraphene、データを収集するのはCarbon、データベースはWhisperと、ひととおり、この時系列データ視覚化に特化したものを活用しています。個人的には、この発表がきっかけでラウンドロビン・データベースという仕組みを知りました。ログのローテーションのようなものがデータベースに必要になるようなビジネス要件があるのも初めて知りましたし(そして今回の発表で実例を見て納得でした)、そこからデータを取り出す方法にも興味を持ちました。RDBMSやNoSQLだけじゃない世界があるのを知って、もっと自分で調べてみようと思っています。
講演後
全講演が終わって、運営側から簡単な業務連絡があった後、みんなでグループ写真を撮りました。こういうのも良い思い出になります。
グループ写真の後、PyCon JPチームはPyCon SGの方たちに招待されて、インドネシア料理をごちそうになりました。テーブルの上にはサテーやレンダンなどがいっぱい並び、食べきれないほどでした。
話題の中心は、今後のカンファレンス運営をどうしていくか、でした。これまで各国のPyConは独立採算制で、連携はどちらかというと緩やかな交流に限定されていました。それが2013のPyCon APACでは、一部の予算をこれまでシンガポールで行われていたPyCon APACの資金から出してもらったりなど、これまで以上の連携が行われています。そしてシンガポールの運営としては、日本にも同じような資金・スポンサーの紹介といった部分で、次の年に控えている台湾にむけて順繰りにサポートしてほしいとのことでした。
そのためには、各国で開かれるPyConの予算策定(例えば、日本で行われるPyConはほかの国と比較してチケットの価格が安いため、どうしても予算が厳しくなってしまい、他の国への財務的なサポートは限定的になってしまうなど)の足並みを揃える必要があったり、各国で開かれるローカルのPyConとは別にPyCon APACとしての資金を別枠で管理しなければいけない、などまだまだ実現に向けての課題は山積みです。このような話以外にも、それぞれのカンファレンス運営の悩み、学んだことの共有といった、普段メールや電話でしかできない話を食事の後も遅くまで語りあいました。アツい!
他にも、初回のPyCon APAC(2010年)のときは、2年間の準備をしたという苦労話や、シンガポールでのPythonの使われ方の話をし、9月に東京で開催するPyCon APAC 2013 in Japanの時に再会しましょうということになりました。
以降、『PyCon Singapore 2013レポート ~二日目』に続きます。


