IBMがDevOpsに注目するわけ
基調講演のオープニングに登場した日本IBM専務執行役員ソフトウェア事業担当ヴィヴェック・マハジャン氏は、「クラウド、モバイル、ソーシャル、ビッグデータという4つの新しいプラットフォームが、企業に大きなビジネスチャンスをもたらしています。しかし、このチャンスを生かすには、ITシステムも新しいものにシフトさせる必要があります」と延べ、それには、アジャイル開発と相互作用するシステム(Systems of Interaction)がキーワードになると説明した。
続いて、日本IBM理事でありラショナル事業部 事業部長 渡辺公成氏が登壇し、マハジャン氏の話を受け、IBMがDevOpsを評価し、どのように取り組んでいくかについて、次のように語った。
「IBMは10年前にラショナルを統合してから、事業のポートフォリオを拡大してきました。それはビジネスの変革や市場の変化に対応するためでもあります。今日のビジネスに特に影響を与えているのは、クラウド、モバイル、ソーシャルです。これらの新しいプラットフォームが、ビジネスのスピードをより速くし、システムの設計・開発・運用といったライフサイクルを変革させています。そして、この変化に対応し、より高い顧客満足度やビジネスの効率化を実現するため、ソフトウェア業界が注目しているのがDevOpsです」
しかし、渡辺氏は、DevOpsといっても、単に担当者をアサインしたりツールを導入したりしただけでは失敗するという。DevOpsは事業部門(顧客サービスにつながっている)、開発部門、運用部門すべての業務プロセスをつないだライフサイクルを考える必要があり、それはツールやシステムだけの問題ではなく、人や(企業)文化とも関係してくるものだからだ。