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【デブサミ2015】セッションレポート(AD)

【デブサミ2015】19-A-L レポート
アドテク×人工知能 ~人工知能による予測・自動化がスマホアプリ広告を未来へ導く

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広告配信の自動化により、担当者はより戦略的な業務に専念できる

 市川氏は、こうした現状を踏まえ、「人はあくまで目標の設定と確認に集中すべき。『F.O.X』は近い未来にターゲティングから広告配信、効果計測、レポーティング、分析、運用と、そのすべてを自動的に最適化していきたい。そうすることで運用する人がいなくても、有効な広告が打てるようになる」と展望を語る。代理店やマーケティング担当者は、広告の戦略を考えることとその検証・考察に特化すべきというわけだ。

 そこに人工知能による予測・自動化が、売上予測、コンテンツの最適化、ユーザーへの接触、ターゲティング、行動予測、配信最適化などに大いに効力を発揮するという。

 たとえば、1日の売上を構成するのは、「DAU(1日にアプリにアクセスするユーザー数)」と「ARPDAU(1日にアクセスした人の平均課金額)」という要素に分解することができる。つまり「DAU」と「ARPDAU」の予測ができれば、1日の売上を予測できることになる。そこで「DAU」「ARPDAU」をそれぞれ過去の時系列データから分析し、予測する。すると、現在の予測値で約10%未満の誤差での予測が可能になるという。事前に売上の予測ができれば、売上目標との乖離がわかり、「広告によって、どうやって埋めるか」という戦略を先取りして考えられるようになる。しかしながら、広告に関わるプレイヤーは複雑化しており、最適なプロモーションを行うことは難しい。そこで、人工知能を活用したシミュレーションを行うという。

 たとえば月間の売上目標を達成するための最適プロモーションについて市川氏は次のように説明する。ユーザーを月初に獲得した方が月内の貢献度は高いため、広告も月初に集中することが望ましい。しかし、大量出稿は獲得効率が悪化するため、月初だけに集中しても思うような効果は上げられない。そこで月間を通じての最適な予算投下の計画が必要になる。このような複雑な最適化問題は人間よりも機械の方が得意な作業であり、人工知能によるシミュレーションが有効に活用できる。

目標達成のストラテジー
目標達成のストラテジー

 他にも次のような取り組みが紹介された。

(1)ランキング予測×最適広告投下

 アプリは人気ランキングの上位になるほど注目され、インストール数も増え、必然的に売上も増加する。ランクインするためには広告投下が有効だが、その際に有効な広告費や広告手法などを見極め、売上増加に対する最適バランスを導き出す。

(2)クリエイティブの自動生成

 配信先のコンテンツを読み込み、その中でユーザーにとって最適な画像やテキストを抽出し、広告作成を自動化する。現在はまだ十分には対応できていないが、将来的には文章の自動化も行っていく予定だという。

(3)アプリ運用の最適化

 かつては一部のアプリ、サービスに集中していたが、現在はアプリの種類も多様化したことによりユーザーが多くのアプリを使っているので、ユーザーとのタッチポイントが増えている。そこでターゲットとなるユーザーの行動を予測し、プッシュ広告やコンテンツ広告、メディア配信など、最適な接触方法を導き出してアプリへの呼び戻しを行い、エンゲージメントを最大化させる。

 この他、まだ実用化には時間を要するものもあるが、様々な施策に取り組んでいるという。いずれもカギとなるのは、CyberZがこれまでに取得し蓄積してきた、そしてこれからも増え続けていくであろう膨大なデータである。

 市川氏は「こうしたデータを保有していることを自社の強みとし、それらを人工知能を用いて有効活用することで世界中のスマートデバイス市場を牽引したい。我々が怠けては市場が停滞してしまうという自覚をもち、広告主をはじめユーザーに有益な価値を提供していきたい」と意欲を語った。

 最後に市川氏は「CyberZは仲間も多く募集しているので、ぜひ一度、CyberZのサイトを見てほしい」と呼びかけ、セッションを終えた。

採用情報

 CyberZでは下記のような方を求めています。

  • 人工知能・機械学習でF.O.Xの持っている大量のデータを読み解くことにワクワクする方
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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