クラウドのサービス停止時間と向き合う
前述のとおり、「コンピュータは止まる」し「壊れる」という大前提から、「それとどのように向き合うか」を常に意識する必要があります。しかし、サービスによっては、それも少しプロトコル的に楽ができるシステムもあります。
図8は、CloudHarmony社が公開する全世界におけるDNSサービスの年間障害時間(2015年4月時点)です。サービス停止時間を上位にして比較していますが、前述のどのグラフよりも少ないサービス停止時間であることが分かります。
このようにサービスによっては、サービス停止への考慮をプロトコル的に少し楽ができるシステムもあるのです。
私たちを取り巻くコンピューティング資源は、すでに多種多様な利用方法があります。それをどのように最適に使っていくのか、システムエンジニアの皆様の発想と取り組みに係っているのです。
さて、最後にCloudHarmony社が公開するデータから、. パブリッククラウドで1年間に起こり得る最悪のサービス停止シナリオ(想定)を情報共有したいと思います。物理的な制限(光の速度)や経済的な制限(金銭的)をすべて無視し、年間でもっともサービス停止時間が長かったものだけで作ったWebサービスが、どこまで停止するかを想定してみました(図9)。
ストレージサービスが停止すれば、どのようなサービス向けシステムであれ正常な機能を行えませんので、組み合わせにより最悪58時間のサービス全停止が年間で起こることが、我々のIT業界では実際に起こり得る最悪のシナリオであると理解できたかと思います。
「2日以上サービスが停止するパブリッククラウド」。それが意味するところは、利用するスタートアップ企業や国民性・経済状況など、さまざまな観点で差は生まれますが、最悪のシナリオとしてどのようなシステムエンジニアや経営者であれ覚悟が必要な数字ではあります。
次回予告
さて次回も『いまさら聞けないクラウドのアレコレ』と出して、私たちを取り巻くコンピューティング環境の変化と実際を解説していきます。ご期待ください。


