IoTとは
IoTとは「Internet of Things」の頭文字を取った略語で、色々なものがインターネットにつながることをいいます。
これまでにもPCや携帯電話以外のデバイスをインターネットに接続することはありましたが、コストやデータ保管などの問題から必要最小限にとどまっていました。近年、様々なセンサデバイスを搭載したスマートフォンの普及により、センサ自体がより小さく、より安くなってきました。また、ビッグデータ技術やクラウドコンピューティングの普及・発展により、これまで捨てざるを得なかったデータについても安価なコストで活用できるようになり、IoTに注目が集まるようになってきました。
次のリストはIoT活用例です。活用対象は、大規模なものから個人向けのものまで多岐にわたっています。
- 【JAXA】 測位衛星を利用した農機の自動走行
- 【京都大学】 アオウミガメに加速度ロガーを取り付け摂餌生態に関する研究に活用
- 【東京電力】 スマートメータによる検針業務の自動化や電気使用量の見える化を実現
- 【キュリオ】 スマートフォンで自宅のドアを開け閉め、民泊にも
IoTは、業種や業務問わず活用できる可能性があります。アイディア次第で、考えもしなかった新たなビジネスチャンスを発見することがあるかもしれません。
もし、あなたがIoTを活用するユニークなアイディアを見つけた時、実際に実現する方法がわからないと、せっかくのチャンスを逃してしまうことだってあります。
センサをインターネットの世界につなぐ方法
IoTを実現するには、まずセンサなどのデバイスをインターネットの世界とつなぐ必要があります。
「センサ」は、人間の感覚に代わって温度や圧力などを検知する器具です。電気信号に変換するものが多く、センサによる検知には通常電力が必要です。IoTにおける「センサデバイス」は、センサに給電して取得した検知データをインターネット経由で送信する役割を担当します。センサデバイスは、センサからインターネットへ送信するまでをひとつのデバイスでおこないます。
センサデバイスのデータを、いったん「ゲートウェイ」と呼ばれる機器に集約してから送信する場合もあります。センサデバイスとゲートウェイの間は、ZigBeeやBLEといった省電力近距離通信技術を使って通信をおこない、ゲートウェイがインターネットへ送信する役割を担当します。センサデバイスの設置場所によって給電が難しい場合や、インターネット回線を用意できない場合があるなどに有効です。
IoT活用のスタートアップ時期は、センサデバイスやゲートウェイとして汎用的なワンボードのマイコンボードを使うことが多くなってきました。マイコンボードにはGPIO(General Input/Output)と呼ばれるインターフェイスを搭載しており、比較的自由にセンサを取り付けることができるからです。
マイコンボードには様々な種類がありますが、IoTを始める際によく使用されるのが「Raspberry Pi」「Intel Edison」「Arduino」です。
Raspberry Pi
Raspberry Piは、すでに500万台以上販売されている、英国ラズベリーパイ財団によって開発された教育用シングルボードコンピュータです。
いくつかのバージョンがありますが、Raspberry Pi2 Model B(35米ドル)というモデルの場合は、Linux系OSやMicrosoftから無償提供されているWindows10 IoT Coreが動作します。JavaScript(Node.js)やJavaScript、C/C++など様々な言語でプログラミングをおこなうことができます。
Raspberry Piは一部モデルを除き、ネットワークインターフェイスを標準装備しています。また、USBポートを使って、Wi-FiやBluetooth通信デバイスを接続することも可能です。
GPIOがピンコネクタ形状なのでセンサとの結線も簡単で、日本語の市販書籍やブログ記事も豊富なので、IoTのスタートアップに活用されることが増えてきています。
Intel Edison
Intel Edisonは、米国Intelが開発したシングルボードコンピュータです。EdisonはIoT向けに開発されているため、本体は切手大のサイズにまとめられています。Intel Atom 500MHzを搭載しており、本体価格は約1万円です。
Intelが提供するXDE IDEを使えばJavaScript(Node.js)による開発が可能ですが、購入時点ですでにLinuxが動作しており、様々な開発言語をあつかうことができます。
ただし、インターフェイスが小さくGPIOの取り回しが難しいため、Arduino拡張ボードやBreakoutボードを使って開発します。
販売開始は2014年9月と後発で、Raspberry Piと比較すると日本語書籍の数も少ないこともあって、初心者にはやや難しいデバイスかもしれません。しかし、小さいサイズの本体にBluetooth/Wi-Fiを標準装備していることから、本格的な活用はこれから増えてくると思います。
Arduino
Arduinoは、イタリアArduino社が2005年にロボット制御ボードのプロトタイプを開発するためのマイコンボードとして開発しました。オープンソースハードウェアとして設計情報が公開されており、Arduino社以外からの派生ボードも複数販売されています。
開発には、C++に似た独自開発言語Sketchを使います。統合開発環境もあわせて提供されており、ボタン1つでボードへアップロードすることができます。
最も多く販売されているArduino UNOには標準でネットワーク通信のためのデバイスが搭載されていません。このためシールドと呼ばれる拡張ボードを装着するか、ネットワーク機能を標準装備している派生ボードを使用します。ネットワーク機能を持つArduino YUNの場合、約1万円で入手可能です。
日本では電子工作分野で多く使われているため、市販書籍も多数出版されており、初心者にもあつかいやすいマイコンボードです。
IoTは世間に馴染んできたようです?
先日たまたま見ていたTV番組「TBS がっちりマンデー!!2015年儲かりキーワード」で、「IoT」という単語が登場してびっくりしました。
流行っているのはIT業界の中や一部の範囲だけなのかと思っていたのですが、一般の人も視聴する番組で紹介されるほどIoTがメジャーになりつつあるとは知りませんでした。
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