Microsoft HoloLensの実演とHoloLens Meetupについて
最初に中村氏は「Microsoft HoloLens(以下、HoloLens)」を使い、会場の参加者席の写真を撮影しました。
HoloLens独特の操作に対しても慣れた手つきで端末を操作し、その流れで撮った写真をTwitterに上げてみせました。
中村氏は2017年1月18日にHoloLens/Windows Holographicに特化した会社「株式会社ホロラボ」を設立し代表取締役CEOに就任。アプリケーション開発や講演、ハンズオンセミナー、執筆など精力的に活動を行っています。2017年の1月末から2月に掛けて日本各地(福岡、東京、大阪、仙台の4カ所)で開催した「HoloLens Meetup」は、ハンズオンで計92人、ミートアップで計237人もの参加者を集めたイベントとなりました。
HoloLensの概要
HoloLensはマイクロソフト社が発売している頭部装着型のPCです。Windows 10が搭載されており、単体で動作可能なためHMD(Head Mounted Display)とは異なります。ケーブルレスな構造で、かぶったまま移動することができます。価格は開発者版が$3000、コマーシャル版が$5000と、なかなか高価ですが「当セッションが終わる頃には“3台”購入したくなっていると思います」と、中村氏はコメントしました(その理由は後に明かされます)。
HoloLensで扱っている技術はMR(Mixed Reality:複合現実感)と呼ばれ、周囲の現実環境を認識して仮想空間に作用させるものです。今までよりも高精度なAR(Augmented Reality:拡張現実)を実現可能で、Windows 10アプリを利用できるため用途が広くなっています。
HoloLens固有の機能としては主に以下のものが挙げられます。
- 空間座標
- 視線入力
- ジェスチャー入力
- 音声入力
- 空間(三次元)音響
- 空間マッピング
- 空間共有
ここで挙げられたのは開発者版の機能で、コマーシャル版にはセキュリティ・認証・ネットワーク関連といった企業用の機能が追加されています。
「Windows Holographic」はWindows 10より可能となったホログラフィック・コンピューティング・プラットフォームです。現実世界に3Dホログラムを重ねて表示することができます。詳細についてはセッション資料でも展開されていた下記2件の記事をご参照ください。ちなみにHoloLensは医学的見地から13歳未満の使用ができません。
- 複合現実 (MR) の幕開け -Windows Holographicをパートナーに公開 | Windows Blog for Japan
- 来年からWindows 10パソコン全機種でWindows Holographicを使えるようになる | TechCrunch Japan
ところで、MR(Mixed Reality)とはそもそもどのような意味なのでしょう。中村氏は以下の図を示しながら解説しました。図の左から右に行くにしたがって仮想感が強まっていきます。拡張現実感(AR)は現実をベースにして仮想空間を投入したもの、拡張仮想感(AV)はベースが仮想でそこに現実空間を投入したもの、という意味合いです。
- 現実環境(Real Environment)
- 拡張現実感(AR:Augumented Reality)
- 拡張仮想感(AV:Augumented Virtuality)
- 仮想現実、人工現実感(VR、Virtual Environment)