対象読者
- スマホアプリ(iOS/Andoroid)の開発者
- スマホアプリの企画者、テスターなどの関係者
- スマホアプリをリリースしているサービス事業者
Visual Studio Mobile Centerとは
スマホアプリの開発をしていると、現場ではさまざまな問題にぶつかります。
まず、最初にぶつかる問題がアプリの実機へのインストールです。特に開発者がアプリのリリース元と異なる場合には問題はより大きくなり、アプリのプロビジョニング(アプリへの署名)などを開発者以外が行う必要が出てきます。そして、Androidの場合であれば、さまざまな機器での動作確認が必要です。そして、リリース後でも、頻繁に更新されるOSのバージョンアップへの対応のビルド環境を用意するなど非常に苦労が多いのがスマホアプリの開発・運用になります。
Visual Studio Mobile Centerはスマホアプリのテストから実際の運用までで必要となるこれらの問題を解決できる、以下の機能を備えています。
- Build (アプリのビルド機能)
- Test (約400機種とアプリテストツールを使っての自動テスト)
- Distribute (テスターへのアプリの配布)
- Tables (Microsoft AzureのモバイルEasy Tablesと連携した機能の提供)
- Identity (FacebookやGoogle+などのソーシャルアカウントと連携したユーザ認証機能の提供)
- Crashes (アプリの不正終了などのレポート情報を収集する機能)
- Analytics (アプリの利用状況・アクセス状況などのレポート機能)
これらの機能を利用する各管理の工程のイメージが図1です。
Build、Test、Distributeまでは、アプリを配布するまでの工程を管理します。そして、Analyticsではアプリの利用状況が把握できるので、実際のサービスがどのように使われているのかや、今後、どのように改善していけば良いかを検討するために必要な情報が得られることでしょう。
また、Crashesでは、アプリが不正終了してしまった場合にそのクラッシュレポート情報の収集が可能になります。リリース後に実際に問題が生じてしまった際に役立つことでしょう。
ここまでの機能はアプリ開発や管理の各工程を管理するための機能でしたが、TablesとIdentityはMicrosoft Azureサービス――モバイルバックエンドサービスとの連携機能を提供します。従って、Microsoft Azureのサブスクリプションがないと利用できません。Microsoft Azureサービスと連携が前提で、モバイルバックエンドサービスで提供されている機能はこれだけではありませんが、よく利用される機能ということで、このMobile Center内でコントロールできるようになっているのではないかと思われます。