対象読者
- Macでアプリケーション開発をおこなっている方
- Visual Studioでアプリケーション開発をおこなっていてMacでも開発をおこないたい方
- Xamarinでの開発をおこなっている方
Visual Studioとは?
WindowsアプリケーションやASP.NETアプリケーションを開発しているほぼすべての方はWindows上でVisual Studioを使っていると思います。ほぼ100%の人が使っていることでしょう。しかし、Macでの開発が中心の方にはVisual Studioを知らない人もいることかと思います。そこで、Visual Studio for Macについて説明する前にまずはVisual Studioについて簡単に紹介します。
先にも述べたとおり、Visual Studioはマイクロソフトが開発・提供する統合開発環境です。最初のVisual Studioは1997年にリリースされたVisual Studio 97です。それ以降、おおよそ2~3年間隔でバージョンアップ版がリリースされ、本記事執筆時点の最新バージョンはVisual Studio 2015(2015年リリース)となっています。また、すでにVisual Studio 2017のRC(Release Candidate:リリース候補版)の提供が開始されているため、近日中に2017正式版が登場するものと思われます。Visual Studio 2017については「次期バージョン『Visual Studio 2017(Visual Studio "15")』先取り特集」にて紹介していますのでぜひそちらもご覧ください。
Visual Studioでは以下のようなアプリケーションを開発することができます。
タイプ | 実行環境 | フレームワーク | プログラミング言語 |
---|---|---|---|
Windowsアプリケーション | .NET Framework | Windows Forms | C#、VB |
WPF | |||
Windowsストア | WinRT(Windows 8.1) | ||
UWP(Windows 10) | |||
.NET Core | .NET Core(コンソールアプリ) | C# | |
ネイティブ | MFC、ATL、DirectX | C++ | |
Webアプリケーション | IIS(Windows Server) | ASP.NET MVC | C#、VB |
ASP.NET Core | C# | ||
スマートフォン | iOS | Xamarin.iOS | C# |
Android | Xamarin.Android | C# | |
その他 |
Windowsアプリケーションにはいくつかの種類がありますが、もちろんすべての種類のWindowsアプリケーションを開発することが可能です。また、ASP.NETと呼ばれるフレームワークを使用してWebアプリケーションを作成することもできます。加えて、iOSやAndroidアプリケーションの開発にも対応しています。これはXamarin(ザマリン)と呼ばれるフレームワークを使用します。通常のiOSアプリ開発ではObjective-C/Swiftを、Androidアプリ開発ではJavaを使用しますが、Visual StudioでのiOSおよびAndroidアプリ開発はC#を使用する点が特徴です。
他にもVisual Studioではさまざまなプロジェクトに対応し、JavaScriptなど他のプログラミング言語もサポートしています。
Windows版のVisual Studioについて簡単に紹介しましたが、Visual Studio for MacはWindows版と同じところもあれば異なるところもあります。もっとも大きな違いはWindowsアプリケーションの開発には対応していないところでしょう。これから詳しく解説していきますが、その前にプレビュー版のインストールについて解説します。
Visual Studio for Macプレビューのインストール
それでは手順を解説していきます。興味のある方はぜひ試してみてください。ただし、あくまでプレビュー版のため、正式版では変更される点や、不具合が存在する可能性もあります。
インストール自体は通常のMacアプリと変わりません。上記のサイトからdmgファイルをダウンロードしダブルクリックで起動します。
表示された画面中央の矢印をダブルクリックすればインストールが始まります。
なお、サイトやインストーラーは英語ですが、Visual Studio for Macプレビュー自体は、100%ではありませんがかなりの部分が日本語化されています。
Visual Studio for Macが必要とするXamarin関係やAndroid SDKなども自動的にインストールされます。ただし、Xcodeは自動的にはインストールされないようなのでApp Storeから別途インストールしてください。基本的に最新バージョンを必要とするようなので、古いXcodeをインストール済みの方は更新する必要があるかもしれません。これら以外にも.NET CoreやMonoランタイムを入れるように言われる場合があるようです。そのときは表示に従ってインストールしてください。
なお、中にはXamarin Studioをインストール済みの方もいるかもしれませんが、リリースノート によると、Visual Studio for MacとXamarin Studioは同時にインストールできるそうです。ただし、注意点もありますのでリリースノートを参照してください。