アプリのクラッシュ状況を確認する
アプリマーケットのユーザのコメントを見ると「アプリが落ちてしまいます」などのコメントを見ることがあります。アプリの異常終了の原因はさまざまで、なかなかアプリの利用者からその原因や利用状況をヒアリングすることも難しいのが現実です。
この「Crashes」では、アプリが何らかの理由によって異常終了した場合に、その時のログを確認できます。
図12と図13は、ボタンのハンドラの中に意図的にゼロ除算のコードを仕込み、アプリをクラッシュさせた場合に取得できた情報です。エラーのスタックトレース、クラッシュした回数・デバイス・OSバージョンを確認することができるので、利用者から状況を把握するよりも多くの場合、詳細な情報が分かると思います。
テスト機能を確認する
アプリのテスト機能はXamarin Test Cloudを利用しています。
Xamarin Test Cloudでは実機でテストしている状況を記録できるXamarin Test Recorderなどもあり、アプリテストの機能が充実しています。ただし、Mobile Centerでは同じ機能が利用できるわけではないようです。例えば、Xamarin Test Cloudでは1000機種以上のデバイスが利用可能ですが、Mobile Centerでは約400機種になっています。
また、テストの実行では以下の表5に示すテストフレームワークを利用して実行が可能です。
フレームワーク名 | フレームワークのURL |
---|---|
Appium | http://appium.io/ |
Calabash | http://calaba.sh/ |
Espresso | https://google.github.io/android-testing-support-library/docs/espresso/ |
Xamarine.UITest | https://developer.xamarin.com/guides/testcloud/uitest/ |
本稿では各テストの利用方法までは紹介しませんが、まだまだ、スマホアプリの自動テストは一般的ではないと思います。しかし、これらの環境が無料で利用でき、また、数多くの実機を用意しなくても確認できることもあり、Mobile Centerの利用を機にアプリの自動テストにチャレンジしてみるのもよいことでしょう。
また、利用する際にはMobile Center上だけでは少々、情報が足りない部分があるので、併せてドキュメントを同時に参照する必要があります。
最後に
今回、詳しく紹介しきれなかった機能にモバイルバックエンドとの連携機能があります。現在はクラウド連携機能として、「Tables」というAzure上にデータ保存する機能や、「Identitiy」というさまざまなソーシャルサービスとの連携を簡単にするための機能もあります。そして、アプリ開発に欠かせないプッシュ通知機能についても、今後連携が予定されているようです。
ここまで紹介した機能だけでもiOSやAndroidのアプリ開発や管理に関するMicrosoftの本気度が伝わってくるのではないでしょうか。また、これらの機能がWindows向けの環境よりも先行し利用できることに非常に驚きを感じます。
さらに、今回説明に使用したXamarinのようなマルチOS向けのアプリ開発プラットフォームとMobile Centerと組み合わせることで、ますますアプリ開発が便利になり、そして、Microsoftのツールやサービスは目が離せないものになってくるでしょう。