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イベントレポート

AIによって進化し続けるクリエイティブツール、新たな表現手段としての音声UI/拡張現実【Adobe MAX Japan 2018】

デスクトップ版と遜色なく使えるiPad専用の新Photoshop

 アドビ米国本社のエリック・スノーデン氏が、「かつては夢だった、好きなブラシや機能をいつでもどこでも使えたらを実現した、野心的なアドビのエンジニアとデザイナーの取り組み」と語るのが、先月のAdobe MAXで発表されたiPad用の「Photoshop CC for iPad」だ。

アドビ米国本社 エリック・スノーデン氏(Eric Snowden, Senior Director of Design, Creative Cloud & Document Cloud, Adobe)
アドビ米国本社 エリック・スノーデン氏(Eric Snowden, Senior Director of Design, Creative Cloud & Document Cloud, Adobe)

 機能を薄めていない、iPadで使えるほぼフルバージョンのPhotoshop。デスクトップ版と多くのコードベースを共有しており、シームレスな互換性を持つという。例えば、PCで作成したネイティブなPSDファイルがそのままiPad上で動く。

 UIは、左側にツール群、右側にレイヤーが表示されるといった馴染みのあるレイアウトを踏襲しつつ、タッチデバイスに最適な作り込みが行われた。ピンチインでのズームインやレイヤーのドリルダウン、Apple Pencilのダブルタッチによるズームアウト、範囲選択時に下側に表示されるショートカットメニュー、ブラシの筆圧対応など。特に、左下に表示されるタッチモディファイア(タッチ式の修飾キー)によるツールの迅速な一時的切り替えは、デスクトップ版で多用していると思われるキーボードショートカットをうまく補ってくれそうだ。

左下に表示されている白い円形部分がタッチモディファイア。ここをタッチすることで、ペンツール/消しゴムツールの切り替えなどを素早く行える
左下に表示されている白い円形部分がタッチモディファイア。
ここをタッチすることで、ペンツール/消しゴムツールの切り替えなどを素早く行える

 デモでは、200以上のレイヤー、数ギガバイトの容量を持つ大きなPSDファイルが、デスクトップよりも小さいメモリフットプリントを持つiPad Pro上で普通に作業できる様子が示された。

 提供は2019年を予定。事前登録によりリリース時の通知を受け取ることもできる。

あらゆるクリエイティブ表現の根幹をなすドローイングもサポート

 PhotoshopをiPad対応させた先に、アドビがタッチインターフェースで、さらに何ができるかを考えぬいた答えとしてスノーデン氏が挙げたのが「ドローイング」。4万年前の洞窟の壁画に始まり、ナプキンの裏に描く新しいアプリのスケッチなど、ドローイングはクリエイティブな表現の根幹をなすものであり、イラストや長編映画、ウェブサイト、拡張コンテンツなど、あらゆるクリエイティブな表現はドローイングからスタートする。

 そこで、ドローイング(およびペインティング)に関する専用のデジタルツールを作る試みが「Project Gemini(プロジェクト・ジェムナイ)」だ。iPad専用のドローイングおよびペインティングアプリとして開発が進められている。

 たくさんのブラシ機能が詰め込まれており、ドローイングに専念できるように、パネルの閉じ開きや位置調整など、タッチインターフェースに適した形でワークスペースを柔軟にカスタマイズできる。

左上に3つのブラシアイコンがあり、水彩や油彩のライブブラシも用意されている
左上に3つのブラシアイコンがあり、水彩や油彩のライブブラシも用意されている

 また、作業データはCreative Cloudを通して同期され、Photoshopなどの他のツールで作業を継続することもできる。ベクター画像とラスター画像を混在して扱うこともできる。

 特長的なものとしてデモで紹介されたのが、ライブブラシ機能。水彩画では、筆の水分含有量を指定して塗った後に徐々に絵の具がにじんでいく様子をエミュレートしたり、キャンバスのテクスチャを再現したりと、表現および描画体験面でのリアリティが示された。油彩画でも油彩絵具がブレンドされる様子などが紹介された。

水彩画の混色やにじみの表現が再現されている。この写真ではわからないが、塗った後に徐々に塗りが広がる様子を再現していた
水彩画の混色やにじみの表現が再現されている。
この写真ではわからないが、塗った後に徐々に塗りが広がる様子を再現していた

 製品のリリースは2019年を予定。こちらは、Windows版やAndroid版での展開も視野に入れていることもコメントされた。

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アドビが将来の表現として注目する拡張現実(AR)

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...

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