アドビが将来の表現として注目する拡張現実(AR)
イタリア出身で幼少期に日本の影響を大きく受けたというステファノ・コラッサ(Stefano Corazza)氏。AR製品を担当する同氏は、スタジオジブリ作品や日本のロボットアニメをたくさん視聴していたそうで「マジンガーZ、最高でした」と冒頭でコメントし、会場を沸かせた。
コラッサ氏は、「アドビはARが次のフロンティアだと考えている。クリエイティブの表現が画面の制約から解放され、キャンバスの周りの世界を変革できると信じている」と述べ、現実世界と仮想世界を組み合わせたARの体験により、まったく新しい共感や遊び心を刺激し、インタラクティブなストーリーテリングを行える可能性があると語った。
一方で、この新しい表現方法には、没入感のあるコンテンツを作るためのツールやサービスが不足しており、そこで開発を進めているARコンテンツのオーサリングツールとして「Project Aero(プロジェクト・エアロ)」を紹介した。
Photoshopで作成した画像(PSDファイル)や、3Dモデリングソフトの「Adobe Dimension(ディメンジョン)」で作成したコンテンツをクラウドサービスのCreative Cloud経由でエクスポートし、Project Aero上でコンテンツの配置、アニメーションの設定、インタラクションの追加といった作業をノンコーディングで行うことができる。
同プロジェクトは、2018年6月に開催されたアップルの開発者会議「WWDC 2018」の基調講演で発表され、その後10月に開催された「Adobe MAX 2018」のタイミングでプライベートベータ版の提供が開始されている。アップルとピクサーとの協業によりusdzフォーマットもサポートしており、作成したARコンテンツはApple ARKitの環境で動作させることができる。
講演では、アップル米国法人の副社長でプロダクトマーケティングを担当するマイケル・チャオ(Michael Tchao)氏も登壇し、今回のアドビとのパートナーシップに感謝するとともに、「ARによって今後、学習・教育・クリエイティビティ・エンターテイメントが変革する」というコメントを寄せた。
デモでは、PSDファイルをレイヤーごとに間隔が空いた没入感のあるコンテンツにしたり、小売のシーンにおいて多数の製品バリエーションを持つ靴を店頭でAR表示し、購入検討をしやすくするといった作例が紹介された。
こちらも2019年のリリースが予定されている。
当日の全体の模様は、#AdobeMAXJapanのハッシュタグからも確認することができる。
