いくつもの社内制度が、成長を促進してくれる
――山田さんは、ゆめみで先輩方のソースコードレビューを受けてきたかと思います。ゆめみで実施されているレビューには、どのような特徴がありますか?
山田 メンバーが何かの指摘をする際に「自分はこう思うからこう書いてほしい」ではなく「こう考えた理由は○○に沿っているからです」というように、必ず根拠となる情報を示してくれることですね。それも二次情報ではなくて、公式ドキュメントや公式のデザインガイドラインなどの一次情報を必ず提示してくれます。
プログラミングや設計を学ぶうえでは、一次情報から正しい情報をインプットすることがすごく重要なんです。レビューでのそうしたやり取りを繰り返しているうちに、少しずつSwiftらしいコードの書き方や適切な設計ができるようになってきました。
それから、ゆめみではSlack上に各メンバーのOJTチャンネルがあります。これは私が新卒だからというわけではなく、入社数年目の方のOJTチャンネルもあるんです。チャンネルに参加しているメンバーが、自由にフィードバックを返していいルールになっています。
360度フィードバックを毎日やっているような感覚ですね。すべてのメンバーが、お互いに教え合える、質問し合える文化が生まれています。
――良質なフィードバックを頻繁に受けられると、改善のサイクルが早まりそうですね。ゆめみの制度で、他にエンジニアの成長に寄与しているものはありますか?
仲川 技術の学習のための社外研修費用予算を、いくらでも使ってよい「勉強し放題制度」があります。たとえば、「勉強会に参加したいので北海道に行きます」と申告すれば、交通費や宿泊費などを会社が出してくれるんです。制度としてはまだスタートしたばかりで実験的な部分もありますが、成長意欲のあるメンバーをかなり後押ししてくれるものになっています。
「勉強し放題制度」を利用するうえで、唯一の条件になっているのは「学んだ内容をアウトプットすること」です。「アウトプットすることで自らの学びを深められる」という考えのもと、そうした制度設計になっています。
よりよい企業をゆめみて
――山田さんはこれから、エンジニアとしてどう成長していきたいですか?
山田 技術的な目標としては、2年目でフルスタックエンジニアを目指したいです。いまの業務ではiOS開発をメインで担当していますが、今年度は他の領域も積極的に学んでいきたい。より幅広い分野に手を出して、技術のことをなんでも貪欲に学んでいけるエンジニアになっていきたいです。
――その言葉からは、山田さんの成長意欲の高さを感じます。そのモチベーションはどこから生まれているのでしょうか?
山田 私だけではなく、ゆめみのメンバーは「自分は過去よりも成長できているか」「会社の事業に貢献できているか」を日常的に考えている人が多いです。それは、ゆめみのさまざまな制度や企業の文化が有効に働いているからだと感じています。
たとえば、ゆめみには「全員CEO(※)」という制度がありますが、これが良い例です。普通の企業では、「代表取締役や役員が考えた方針に沿って社員は仕事をする」という考え方が一般的です。しかし、全員がCEOという立場になることで、ゆめみという企業に関するすべての意志決定を“自分ごと”として考える習慣が身につきます。
※ 全員CEO制度
全メンバーをCEO(最高経営責任者)とする制度。CEOとなった全メンバーは、弊社独自のルール「プロリク」により、あらゆる意思決定を行うことができる。プロリクとは、プロポーザルレビューリクエスト(Proposal Review Request)の略であり、実施を希望する者がその他のステークホルダーにレビューを受けることで「プロポーザル」の実施判断を自身で行う意思決定方法。
それから、ゆめみでは自分の給与を自分で決める制度になっています。自分の給料を決めるからには、「自分が会社に対してどれだけ貢献しているか」を明確に説明できなければいけません。だからこそ、「今後は自分がどういうことをやりたいか」「案件でどんな役割を果たすか」を考える機会になります。
――社員全員が自走してくれるようなしくみを、上手につくっているのですね。仲川さんは、ゆめみを今後どう成長させていきたいですか?
仲川 私はこの会社が本当に好きなので、今後も長くゆめみの事業が続いてほしいです。だからこそ、自分がエンジニアとしての経験を積むなかで培ってきた知識やノウハウを社内に共有することで、メンバー全員のスキルをより向上させていきたいです。
私は創業当初からゆめみにいて、最初期から現在まで会社の変化をずっと見てきました。最近のゆめみは、「どんな制度やしくみをつくれば、メンバーがモチベーションを持って仕事に取り組んでくれるか」を考え続けていて、すごく面白い企業になっていると感じています。この体制が今後も続いていけば、日本のなかでも唯一無二の企業になれると思っています。今後、ゆめみという企業がどれだけ成長していくのか、私自身も非常にワクワクしているんです。