Excelが持つテスト管理の不便さを、テスト管理ツール導入で解決
ソフトウェア開発において、品質を担保するために欠かせないテスト。テストケースやテスト結果の管理について、不便さを感じてはいるものの、日々の業務に追われて改善に手が回らないという人も多いのではないか。
一般的にテストケースやテスト結果を管理するツールとして用いられているのが、Excelを代表とする表計算ソフトである。オフィスソフトの中でも最も身近でよく使われているソフトといっても過言ではない。なぜテストケースや結果の管理に使っているのか改めて考えてみると、「自由度が高い」「同一や連続したデータのコピーや作成が楽」といった手軽さがExcelを利用する一番の理由だ。果たしてExcelはテストの管理に適しているのだろうか。
Excelを使ってテスト管理をしていると、さまざまな不便な点がある。以下はその一例だ。
- アプリケーションのバージョンごとにExcelファイルをコピーしており管理が煩雑になる
- 異なるアプリケーションでも同じ内容のテストを実施する場合はテストケースをコピーして流用するため手間がかかり、人手によるミスが発生する
- テストケースの補足説明に画面ショットを使いたいがExcelに貼りつけると見づらい
- 過去の結果を見たいが、どこにあるかわからない
- テスト中にテストケースを修正したが、他のExcelファイルに記載されたテストケースとのマージに時間がかかる
- テスト結果の集計は手動で行う必要があり時間がかかる
このようなExcelが持つ不便さを解消するのが、テスト管理ツールである。テスト管理ツールの対象となるのは単体テストや結合テスト、システムテスト、受け入れテストである。管理する情報は、テストケースやテスト結果の記録に加えて、テストの成果物や不具合情報、進捗情報も含まれる。
テスト管理ツール「TestRail」の特長
世の中に数あるテスト管理ツールの中でも特におすすめなのが、テクマトリックスが提供する「TestRail」である。
TestRailは独Gurock Software社が開発したもので、すでに世界中で1万2000社に導入されている。2019年にはITツールのレビューサイトのソフトウェアテスティングカテゴリーで、LEADERを獲得するなど、この分野を代表するツールだ。
TestRailの特長は大きく6つ。
1. Webベースの直感的なUI
テストケースの確認や結果の登録を視覚的に簡単に実施
2. テストの進捗をリアルタイムで把握
テストの進捗や完了予定日などの最新情報をいつでも確認
3. テストケース, 計画, 実行の管理
実施中のテスト群, 手順, 環境, 担当者などの情報をまとめて管理
4. テスト結果のレポート出力
テスト結果の分析や証跡に使えるさまざまなレポートを出力
5. 課題管理ツールとの連携
RedmineやJIRAと連携し、テスト画面から課題の閲覧や起票を実施
6. UIテストなどテスト自動化ツールとの連携
テスト自動化ツールのテスト結果を自動的に登録(テスト自動化のためにAPIを提供)
TestRailの最大の強みは、ユーザビリティに優れていること。それを実現しているのがテストケースの階層化による管理と、テストケースと結果を分離して管理していることである。テスト管理ツールの中には要件管理や不具合管理が一体化したものも存在する中で、TestRailはあくまで連携することで、テストにまつわる情報を一元管理する。例えば、RedmineやJIRAなどの既存のツールをリプレースする必要がないのもメリットだ。