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いまサービスデザインに求められるデザイナーの役割とは――ハナユメのコロナ禍における取り組みから考える

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ウィズコロナの結婚式をサポートする取り組みとは

 お客様へ寄り添う気持ちをデザインで表現するために、コピーライティング、色彩、グラフィック、レイアウトなどで、お客さまがハナユメのクリエイティブに触れるいたるところで「安心」を伝えるよう、心がけました。

 お客様とのコミュニケーションのなかで、お客様が望む情報をよりわかりやすく伝え、ブランドの想いを届ける表現をすることがデザイナーの役割である――。そんな考えから、日々の業務では「お客様の立場になって考えること」、「自分でつくったものを疑うこと」のふたつをとくに意識しています。

 自分がお客様の立場だったら、そのデザインを見てどう感じるのかを必ず想像し、自分が作った制作物を客観的かつ批判的な目で見てみます。

 その情報は必要なのか。表現やあしらいは受け入れてもらえるのか。コピーはわかりやすく正しく伝わり、過剰になりすぎていないか、などをお客さま目線でとらえ、時には自分を疑い正すことで、お客さまに本当に良いと思ってもらえるものが完成すると考えています。

 そこで私たちはお客さまの立場や目線を取り入れるために、InstagramなどのSNSを活用して、リアルな声をサービスデザインに落とし込むようにしています。

 コメント機能やDMでお声をいただくこともありますし、Instagramのインスタライブなどでお客さまと直接交流することもあります。そういった場で得たお客様の不安やお困りごとをチーム内で共有し、定期的なアイディア交換会でブレスト。その過程を経て実現したものが、結婚式場における感染症対策紹介ページ、カップルへの応援動画、オンラインで配布可能な入籍記念オリジナルカード、結婚式の延期・中止の案内状テンプレート、オリジナルマスクケースなどの企画です。

 ここからはそのいくつかをご紹介します。

ウィズコロナの結婚式をサポートする「結婚式場における感染症対策紹介ページ」

ウィズコロナ時代におけるカップルさまの式場探しをサポートする「結婚式場における感染症対策紹介ページ」では、ハナユメオリジナルのイラストで式場ごとの感染症対策をわかりやすく紹介するほか、結婚式当日に使える、感染症対策を示した対策カードや、感染症対策サインを配布しました。

「対策カード」と「当日サイン」
「対策カード」と「当日サイン」

結婚式場で取り組んでいる徹底した感染症対策をわかりやすくイラストを用いてお客さまへ説明することで、挙式および式場探しへの不安を低減し、前向きな気持ちで一歩を踏み出せるようなお手伝いができればと思い、制作しました。

結婚式延期・中止の案内状

「結婚式延期・中止の案内状」
「結婚式延期・中止の案内状」

コロナ禍で悩むカップルの悩みや不安を軽減する活動をする中で、実際に延期・中止を余儀なくされたカップルとの接触機会を作るひとつの手段として生まれた企画です。

こちらの延期・中止の案内状テンプレートは、どのようなケースのお客さまにもお使いいだけるよう、お名前や挙式の変更日時、文面が自由にカスタマイズでき、SNSなどで簡単に送付できる仕様となっています。さまざまな結婚式のテーマやお好みに合わせられるように「simple」、「natural」、「cute」、「textile」4種類のデザインを用意しました。

また、日時を変更するたびに案内状を郵送しているお客さまの負担軽減になればという思いも込めています。

デジタルで配布可能な「入籍記念オリジナルカード」

入籍記念オリジナルカードは、幅広い年代の方にお使いいただけるよう、6種類のデザインを用意しました。名前・写真・日付を入力することで、自分だけの入籍報告画像を作成できます。

毎年ハナユメは紙の「オリジナル婚姻届」を配布しています。2021年は、オンラインで入籍報告を行う方が増えるだろうという仮説と、デジタルで入籍報告するという新たなムーヴメントを作っていくためにも、このようなオリジナルカードをプラスして制作しました。

コロナ禍の影響で、ご家族や親族、友人・知人に直接会って結婚の報告をすることが難しくなりましたが、こうしたデジタルツールを活用していただくことで、少しでも思い出に残る入籍にしてもらいたいという思いをこめています。

 こうした企画の数々は、私が所属するブランド戦略チームを中心にアイディア出しを行い、チームメンバー一丸となって企画したものです。私はアートディレクションやデザイン制作など、企画に応じて役割を変えながら携わりました。

「オリジナル婚姻届」と「入籍記念オリジナルカード」
「オリジナル婚姻届」と「入籍記念オリジナルカード」

サービスデザインにおいて欠かせない「お客様目線」

 このようなコロナ禍に対応した企画を実施して感じるのは、「サービスが目指すミッションの実現に向け、お客さまが求めることを正しく理解し、クリエイティブによってサービスの提供価値を最大化させること」がデザイナーの役割なのではないか、ということです。そのためにデザイナーはどのような表現であれば伝わるのか、そしてそれをどうすれば実現できるのかを考え尽くさなければなりません。

 コロナ禍によって今まで当たり前だった価値観が大きく変わったいま、市場の変化はますます激しくなっていくでしょう。

 私たちは、自分たちの提供価値を正しく疑い、世の中から求められていることは何かを考え続け、お客様に応援されるサービスにしていく必要があります。そのためには、より柔軟で、革新的な発想が求められるときも多いはずです。そんなときに、固定観念や既存の論理にとらわれず、物事を多角的に考察し、新しい発想を生み出すために必要なのは、「広く、高い視野で物事を考えること」だと思っています。

 「実現したら最高!」という夢のようなアイディアを考えるのは純粋に楽しいですが、「でも形にするのが難しそう」とシャットアウトを続けていてはいつか成長も頭打ちになりますし、イノベーティブな発想も生み出されません。そのためには、世の中にあるさまざまなサービスやデザインに触れ、学び、柔軟で多角的な視座を身に着けることが必要なのではないでしょうか。

 今後は、自分がいま向き合っている仕事を純粋に楽しめるデザイナーになりたいです。そして、愛されるブランドをつくるために、クリエイティブ面で尽力したいと思います。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/13793 2021/03/17 08:00

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