チーム行動指針の策定プロセス
私たちは、1〜2時間程度のセッションを2回実施し、チーム行動指針を策定しました。具体的なプロセスは次のとおりです。
- チームとして大事にしたいキーワードの共有
- キーワードを分類・体系化し、エッセンスを抽出
- 各エッセンスに対して、候補となる文言をブレスト
- ワーディングを精査し、文言を最終化
「最終的な数は3〜5個にする」、「端的で覚えやすい英単語の組み合わせで表現する」というアウトプットの条件を決めたうえで、セッションをスタートしました。
ひと目ではさまざまな言葉が並んでいるように見えますが、似ている要素をくくっていくと、共通項を抽出することができました。
それらをエッセンスとして7つに分類。その上で、各エッセンスに対してどんな言葉があり得るか、冗談も交えながら楽しくアイディアを発散させました。
そこからは、具体度を変えたり、遊び心を加えたりといくつかの編集軸で候補案を整理し、さらに議論を重ねるなかで最終的な文言を決定していきました。
具体的な言葉を並べてみるなかで、「やっぱりこの要素は必要ないな」、「このニュアンスをもっと大事にしたい」、「これとこれは同じことを言っているからまとめられそう」と議論が深まっていき、最終的には4つの行動指針に収まりました。
- 全員参加でのオープンディスカッション
- 理想とするチームのありかたや業務の進めかたをリアルにイメージした要素出し
- 自分たちが大事にしたいと思える言葉遣いへのこだわり
これらの要素を満たしたことで、全員にとって納得感があり、自分ごととして向き合うことのできるチーム行動指針を定めることができました。
定めた行動指針をどのように運用するか
決めたはいいものの、お飾りになってしまいがちなのが行動指針。それらを浸透させるために、私たちが取り組んだ施策をふたつご紹介します。
1.フォーカス行動指針
四半期ごとに開発チームでキックオフミーティングを実施しているのですが、その中で「この3ヵ月で自分がもっとも意識・注力する行動指針」を全員が発表しています。
どの行動指針も大切なのですが、四半期の事業テーマや自身の成長課題をふまえた時に、とくに注力すべきものを決めるという取り組みです。自分の3ヵ月間の注力テーマを決めることができるだけでなく、ほかのメンバーのフォーカスを知ることで相互理解も深まります。
2.エピソード共有
開発チームとしての週次ミーティングで、行動指針に沿って一週間の出来事やチャレンジを棚卸しし、エピソード共有する時間を設けています。
行動指針に沿って1週間を振り返ることで、行動指針への意識が強まっていきます。そして、互いのエピソードを聞く中で「たしかにこういった取り組みもやるべきだな」、「この行動指針はそういう捉えかたもあったな」と解釈が広がり、すりあっていきます。
成功・失敗事例のノウハウ共有にとどまらず、個々人のモチベーションの源泉やその時々の気持ちを理解することもでき、チームにとってなくてはならない時間になっています。
いかがでしたでしょうか。
今回は具体的な事例を交えながら、行動指針についてお伝えしてきました。日々一緒に仕事をするチームの結束を強化し、仕事の効率を高めていくうえでも、行動指針は非常に効果的な武器です。
ぜひ、ご自身のチームの状況を振り返りながら、参考にしてみてください。