目指すのは「時間や場所にとらわれない世界」
――スペースリーで印象に残っているプロジェクトはありますか?
CG家具をパノラマ画像上に自由に配置し、家具の置きかたやサイズ感を事業者・エンドユーザー自身でシミュレーションできる機能「AI空間設計」を開発したことです。
デザイナーがプロジェクトに関わり始めた当初は、コロナ禍に突入して一斉にリモートワークになったタイミング。
このような大きな機能開発では、全員で集まってデモを行い意見を言い合う文化がコロナ前はありましたが、コロナ以降はリアルで集まれない中、リモート環境のデモで意見を集める方法を模索しながら実施しました。また、機能リリース直前ではデザイナーと関係するエンジニア全員が集まり、リリースまでのスケジュールを整理し直して進めたことは印象深かったですね。
AI空間設計は新機能だったため、完成後にはCSチームを通して利用事業者に触っていただき、フィードバックをもらいました。利用事業者からは人物を置いてみたいという要望をもらったり、駐輪場の広さがわかるよう空間上に自転車を置きたいといった声もありましたね。そういった利用事業者の声や社内デモで寄せられた意見をもとに少しずつ調整していきました
――現在の課題や今後の展望について教えてください。
不動産のなかでもさまざまな利用事業者がスペースリーを使っているので、どうしたらそれぞれの利用事業者がやりたいことを実現できるサービスにできるのか、ということは常に考えています。
また要望があったとしても、VR上にその表現をする難易度が高かったり、開発にとても時間がかかってしまうケースも多い。どうすればリリースまでの速度を上げながら、ユーザーから意見を聞いてサービスを改善するというサイクルを回すことができるのか。エンジニアと密に連携をし、そういった体制を作っていかなければいけないと感じています。
いちデザイナーとして、私は新しい市場ができることに興味があります。最近、さまざまな企業がVRやARガジェットを開発していると話題になっていますよね。新しい市場ができるということは、新しい体験が生まれ、それが生活の一部になっていくということ。スペースリーを通じて、そのほんの一部だけでも担うことができたらと思っています。VRを通じて、時間や場所にとらわれない世界を実現していきたいです。
――小太刀さん、ありがとうございました。