UiPathのRPAをテストでも活用! 「UiPath Test Suite」
UiPathはRPAを軸として次々と製品ラインナップを拡張しており、今回はその中からテスト自動化にフォーカスを当てる。UiPathにおけるテスト関連ソリューションの総称は「UiPath Test Suite(以下、Test Suite)」だ。
UiPathのテスト関連機能の特徴について、同社の八波博和氏は「業務自動化で培った技術(開発のしやすさや、対象をつかむ技術も含む)を自動テストの領域にフル活用しています」と説明する。なおUiPathはガートナー社の2023年RPA部門のMagic Quadrantレポートにおいて、5年連続でリーダーの1社に位置づけられている。
テスト自動化の領域にソフトウェアロボットを展開する場合、対象はユーザーインターフェースやAPIとなる。フロントエンドだとTest Suiteは、実際に対象となるアプリケーションの何らかのオブジェクトに対して、Web・デスクトップ・モバイルアプリケーション操作、 ファイル操作、Excel操作、メール操作などを行う。バックエンドだと、API処理の結果判定、DB更新の結果判定、サーバーの応答確認などの操作や検証を行うことができる。
または検証の合否判定やエビデンス記録も行う。複数の環境における同時実行も可能だ。テストでは、多岐にわたるデバイス(モバイル含む)やブラウザで同じテストを実施しなくてはならないのが手間がかかるところだが、UiPathには自動化などテスト作業の効率化を実現する機能がそろっている。
今回デモと解説を担当する津田義史氏はMicrosoftでテストエンジニアを経験するなど、外資系ソフトウェアベンダーの経験が豊富な人物だ。
まずはUiPathの基本的な使い方から。テストエンジニアはUiPathの開発環境となるUiPath Studio(以下、Studio)で、ワークフロー上にアクティビティと呼ばれる部品を貼り付けて自動化を作成していく。変数は変数パネルで作成し、代入アクティビティで値を代入するなどしてデータを操作していく。変数や条件式はC#またはVisual Basicが使える。StudioではGUIで作成するものの、内部的にはXML形式のテキストファイルなのでGitと統合する事が可能で、ワークフローのバージョン管理も簡単に行える。
なおStudioはMicrosoftのWindows Workflow Foundation(WWF)と呼ばれる開発基盤でできているため、見た目はMicrosoftのVisual Studioとよく似ている。特にワークフローを作成する部分は、ツールボックスからアクティビティを選んで配置するなど全く同じと言ってもいい。なぜここまで似ているかというと、かつてMicrosoftに在籍していたダニエル・ディネス氏がWWFからUiPath Studioを作成し、UiPathを創業したという経緯があるためだ。