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Developers Boost 2024 セッションレポート

技術力だけじゃダメなのか? ──多彩なキャリアを歩むKOBA789氏が語るエンジニアの未来戦略

【Session8】「技術力だけじゃダメなのか」Rustで人工衛星を作りながらVTuberとして活動する技術戦略

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楽しさ駆動型のキャリア選択で描く成長曲線

 17歳のときには書籍「サーバサイドJavaScript Node.js入門」の共著者となり、その印税で新しいサーバーを買った。その後、筑波大学に自己推薦で入学したが、講義に出ずに好きなコードを書いていた。この頃、ウェブサービスを作るためにRDBMSを使うことが多かったが、データモデルやクエリ言語に不満があったため、自身で最強のDBMSを作って置き換えようと考えた。そして大学に興味を持てず退学し、21歳の時にクックパッドに就職した。

 クックパッドでは、データ基盤チームでSQLやJavaを書きながら大規模なデータを扱う仕事を経験した。25歳のときにコロナ禍が訪れ、リモートワークを楽しめずクックパッドを退職した。しかし、DBMSに関する興味は続いていて、技術雑誌への寄稿やYouTuber活動をしたのち、アークエッジ・スペースから人工衛星開発の誘いを受けて現職に就いた。

KOBA789氏のエンジニアとしてのキャリアは20年を超えている
KOBA789氏のエンジニアとしてのキャリアは20年を超えている

 ここまで経歴を発表したKOBA789氏は、20年以上プログラミングをしてきたが、自身が特定分野のスペシャリストになっていないことを明かした。さまざまな技術に手を出しては離れ、本や記事を書いても長続きしない。宇宙に興味がなかったのに、今は人工衛星開発をしている。

 KOBA789氏は「要するに、楽しいことを次々とつまみ食いしているだけ」と話す。

 計画的にキャリアを考える人がいる中、彼は未来予測をせず、楽観的に興味のあることに取り組む。この方法が成長速度を高めるのに適していると説明する。

 興味のあることに没頭すると上達が早くなるが、同じ分野を続けると興味が薄れ成長が鈍化する。そこで新しい分野に移る。一見無駄に思えるが、以前のスキルは新領域でも役立つため「強くてニューゲーム(新しい分野でもすでに力をつけた状態で始められる)」の状態で始められる。今までの経験で得られた複数の領域のスキル・知識が相互作用し、新しい視点や解決策を生み出すことで、成長を加速するのだ。

興味のある分野に移っていくことで成長を加速させた自身の成長曲線
興味のある分野に移っていくことで成長を加速させた自身の成長曲線

 「未来を予測しなくても、成長速度さえ手に入ればどんな未来も怖くないです。どんな未来が来てもすぐに適応できるから」(KOBA789氏)

 大事なのは、楽しく取り組むことで、そうしないと真の成長は得られない。楽しいかどうかは分析をせず、体で実感を得る。例えば、徹夜してでも没頭できるならそれは楽しんでいるということだ。

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KOBA789氏が語る技術力との向き合い方とは?

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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