産休・育休を通して、次の世代を育成するという考え方
次に登壇したのはSansanの古川氏だ。彼は2019年12月にSansanへと入社し、2022年6月からマネージャーを務めている。第二子の誕生に伴い、2023年11月30日から古川氏は1回目の育休を取得した。5カ月ほど休暇を取って5月1日に復帰しているが、7月20日から2回目の育休取得を予定しているという。
育休を取るかなり前の段階から、古川氏は上司に「もし2人目の子どもができたら絶対に育休を取る」と伝えていた。そして妊娠がわかった後は、自分自身のマネジメント業務を円滑に引き継げるように、数々の工夫をしたそうだ。
例を挙げると「自分のマネジメント業務を誰に引き継ぐか」を考える必要があった。直属の上司や他のマネージャーにお願いするなどさまざまな選択肢があったが、古川氏は次期マネージャーを育成するという方針を選んだ。前提として、古川氏が所属するMobile Applicationグループをさらに成長させるためには、マネジメントラインの強化が必須という状況だった。そこで、「育休という組織のピンチをむしろ組織成長のチャンスと捉えた」という。
また、5月1日に復帰して7月20日には再び育休に入るため、「自分がマネージャーとして現場に戻ると、組織を混乱させてしまう」と判断。そこで、マネージャーではなくメンバーのエンジニアとして復帰することを選んだ。
育休を取得した感想として、業務から離れたためエンジニアとして腕が鈍ったものの「今は育児に集中すべきフェーズであり、そういうものだと割り切っていた」と古川氏は語る。「むしろ、家族との時間を大切にできたという利点のほうがずっと大きい」と述べた。また、前述の経験を踏まえて会社の周囲のメンバーがサポートしてくれたことへの感謝の言葉を述べ、「視聴者のみなさんもぜひ育休・産休を取得してほしい」と結んだ。