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イベントレポート

育休・産休の仕事への影響は「考え方」次第、3つの事例から学ぶ


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 現代の企業経営において、従業員のワークライフバランスをサポートすることは重要なテーマとなっている。特に、産休・育休を取りやすい職場環境の整備は、単なる福利厚生の一環ではなく、企業の持続可能な成長と競争力の向上に直結する重要な施策だ。2024年6月24日に開催されたオンラインイベント「エンジニアが経験する育休・産休の現実:キャリアも家族も大切に」では、万葉とSansan、ENECHANGEの3社から産休・育休取得の経験のあるエンジニアが登壇。本人の体験談や所属企業での事例などを紹介した。

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「予想できない出来事で一時的に働けなくなることもある」

株式会社万葉 エンジニアリングパートナー事業部 シニアエンジニア 鳥井 雪氏
株式会社万葉 エンジニアリングパートナー事業部 シニアエンジニア 鳥井 雪氏

 初めに登壇したのは万葉の鳥井氏だ。同社はエンジニアが長く働き続けられる組織を実現するために、産休・育休を含め数々の取り組みをしている。講演者自身の体験と最近産休・育休を取得した他の社員の体験談を紹介した。

 セッション冒頭で「私自身の忘れられない育休の話をする」と述べ、現在4歳の子どもが2019年9月に生まれた際のエピソードを解説。産休・育休を取得後、翌年の4月にその子どもを保育園に入園させて仕事に復帰する予定だったが、その時期に新型コロナウイルスの影響で全国で緊急事態宣言が発令された。

 その0歳児の子どもに加えて、もともと保育園に通っていた3歳児も自宅にいる状況となり、会社に頼んで育休を3カ月延長してもらったという。ライフイベントでは、予想できない出来事で一時的に働けなくなることがある。そのまま離職に繋がらないために、産休・育休制度運用の重要性を痛感したという。

 ここからは、最近産休・育休を取得した他の社員の体験談を紹介。その社員は休暇前に「本当に長期休暇を取ってよいのだろうか」と不安に感じていたという。だが、経営陣から面談で「とにかく生き延びることを最優先にしてほしい」と背中を押してもらえたことで、安心して産休・育休を取得できたという。

 そして、その社員は「これから産休・育休を取る人に伝えたいこと」として「出産や育児は身体的・精神的な負担が大きいため、その期間は子どものことに専念したほうがいい。復帰してから自分のペースで仕事に慣れていくようにして、無理なくキャリアも家族も大切にしてほしい」と考えているそうだ。

 また、鳥井氏は産休・育休についての意見を、事前に万葉の社長や副社長にもヒアリング。これらの制度は「法令遵守の観点からも重要」であり、かつ「産休・育休を特別視しているわけではなく、さまざまな境遇にある人が働きやすい環境を作ることが必要」と考えているそうだ。セッション全体を通じて、単に会社が制度を整えるだけではなく、その会社で働く人々全員が産休・育休の意義について理解することの大切さが伺えた。

次のページ
産休・育休を通して、次の世代を育成するという考え方

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この記事の著者

中薗 昴(ナカゾノ スバル)

 週の半分はエンジニア、もう半分はライター・編集者として働くパラレルキャリアの人。現職のエンジニアとして培った知識・経験を強みに、専門性の高いIT系コンテンツの制作を行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/19888 2024/07/30 12:19

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