あの有名人にそっくり!? キャラクターデザインの舞台裏を公開
──有名人にそっくりなキャラクターデザインは大きな話題になりました。ビジュアルデザインや、技を繰り出すときの決め台詞はどのように決めたのですか?
ジンバ:番組スタッフのみなさんに、共演者に関する情報をたくさん集めていただいて、それらを僕がキャラクターに落とし込んでいきました。スタッフは共演者と過ごす時間が長い分、その方の口癖や特技、人柄を深く理解しています。セリフの音声を提供していただくなど、スタッフさんと協力したからこそ、よりリアルで面白いキャラクターを作成できたのだと思います。
実際のキャラクター作成では、写真からアバターを生成しました。アバター作成に使えそうな写真を選定したり、現実ではあり得ない動きを再現したりするのが難しかったですね。例えば、ゲームの途中でリチャードさんは、ブリッジから起き上がって相手に頭突きをします。それぞれのモーションがなめらかに見えるようにつなぎ合わせました。
また、必殺技にはキャラクターだけでなく、工具やキャンピングカーなどの小物も登場します。小物とキャラクターを同じ速度で動かしてみせるのも大変でした。開発時間が約2週間と限られていたので、小物はできるだけ既存のモデルを利用し、工夫しながら制作を進めました。
──ゲーム開発で苦労した点は何ですか?
ジンバ:まず、開発に時間がかかったことですね。平日は普通に会社員として働いているので、仕事が終わってからしか開発の時間を取れなかったんです。開発中の2週間半は、午前3時から9時まで寝て、出社して10時から夜の19時まで働き、家に帰ってきて20時から午前3時までゲームを作るという生活習慣でした。
また、放送時間の関係で1プレイを1分以内に収めるようお願いされたのも苦労しました。パンチしたときにどれくらい体力が減るかというダメージ調整が難しく、僕とスタッフで1分以内に収まるかテストプレイを繰り返しましたね。だんだん上達しちゃって30秒ぐらいで終わるようになったので、慌てて別のスタッフを呼んで、初心者の方にプレイしてもらうこともありました。
本番ではきちんとゲームが動くか緊張しましたが、共演者のみなさんに楽しんでもらえて、しかも見せ場の必殺技を一番良いタイミングで繰り出してくれたので、本当に奇跡でした。このゲームには、ジンバの2週間半の苦労が詰まっているので、視聴者のみなさんにも笑ってもらいつつ、エンジニアの苦労に少しでも思いを馳せてもらえると嬉しいです。