はじめに
本連載は、全12回のリレー形式で「FileMaker Pro」というデータベースソフトウェアを紹介していきます。前回は、「ReportMaker.fp7」というサンプルファイルをもとに、FileMaker Proのリレーション機能の設定方法や特徴について解説しました。今回も引き続き、ぴかいち(有)の今泉が、FileMaker Proの便利な活用方法についてサンプルのデータベースを使って解説します。
今回のレシピは
前回は、顧客詳細画面に、その顧客に関連する報告書を表示する「ポータル」を配置しました。今回は配置されたポータルから指定した「報告書詳細」画面に移動するリンクボタンの作成と、PDFでの保存、およびOutlookなどのメールソフトからメールを送信するスクリプトについて解説します。
リンクボタンの作成
それでは、さっそくリンクボタンを作成してみましょう。「ReportMaker.fp7」の顧客詳細画面を開きます。ファイルを開くと表示される画面でレイアウトの切換えをして顧客詳細画面に移動します。レイアウトの切換えは、ステータスエリアのレイアウトポップアップメニューから顧客詳細レイアウトを選択します。
前回作成した、[報告書一覧]タブの結果欄の横にリンクボタンを付けることにします。レイアウトモードにして、ステータスエリアにあるボタンツールを選択し、適当な大きさのボタンをポータルの中に置く、というのがスタンダードなボタンの作り方です。しかし、ここでは既存のアイコン集からボタンを選んでみました。
この青いボタンは、「FileMaker Graphics Pack」というFileMaker Pro用のアイコンを纏めたツールに登録されているものです(詳細は下記のコラムを参照)。
TechNetは、FileMaker社が主催している全世界共通の開発者向けコミュニティで、個人で加入できます。加入することで各国の開発者との情報の交換や、今回紹介したような開発に役立つテンプレート集、FileMaker社がアメリカで販売しているパッケージソフトウェアなどが無償で提供されます。また、この連載の後半以降で取り上げられるFileMaker Server 9 AdvancedのDeveloper Licenseが1つ提供されており、開発やテストなどに利用することができます。同時接続数は3ユーザーに限定されますが、それ以外は正規ライセンス版と違いは有りません。年会費は9,450円となりますがぜひ参加されることをお奨めします。詳しくはホームページを参照してください。