プログラミング言語「Swift」の開発チームは、3月31日、Swiftのバージョン6.1が正式リリースとなったことを発表した。
今回のアップデートには、生産性を向上させる言語の改善や診断の改善、データ競合セーフティの使いやすさとコンパイル時間を改善するための継続的な作業が含まれている。
例えば、Swiftはコレクション式に末尾のカンマを含むことができるため、要素を簡単に追加、削除、並べ替え、またはコメントアウトできることが特徴だ。
この末尾のカンマのサポートが、Swift 6.1では、タプルやパラメータと引数のリスト、ジェネリックパラメータリスト、クロージャキャプチャリスト、文字列補間にまで拡張された。
また、Swiftの並行処理では、nonisolatedを使うことでAPI がどの並行コンテキストからでも安全に呼び出せることを宣言できる。Swift 6.1では、このnonisolatedが型と拡張機能に拡張された。
タスクグループの型推論も改善され、子タスクの結果の型はタスク グループのクロージャから推測できる。
さらに、Swift 6.1では「package traits」が導入され、パッケージとビルドが改善された。package traitsは、Embedded SwiftやWebAssemblyなど特定の環境で使用される場合に、異なるAPIと機能を提供できるパッケージの新しい構成である。
以前は、プロジェクトのビルド時にインデックス作成が行われていたため、ライブラリへの追加や変更は、ビルドを実行した後に編集機能によってのみ表示されていた。Swift 6.1では、SourceKit-LSPのSwiftPMプロジェクトに対して、バックグラウンドインデックス作成(background indexing)がデフォルトで有効になっており、モジュール間機能およびグローバル機能は常に最新に保たれる。
Swift 6.1はXcode 16.3に含まれており、App Storeから入手可能。スタンドアローンのSwift 6.1 ツールチェーンをインストールするには、macOSとLinux向けの新しいSwift バージョン マネージャーであるswiftlyを使用することが推奨されている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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