さらなるステップアップのための学習リソース
TypeScriptについて学習するときは、公式のハンドブックに情報が網羅されています。
TypeScript: Handbook - The TypeScript Handbook
英語のドキュメントですが、Webブラウザーの翻訳機能で日本語にするなどして読めます。すべてを読む必要はありませんが、一度全体に目を通しておくことをお勧めします。
日本語で、ほどよいサイズでまとまっているドキュメントとしては『サバイバルTypeScript』があります。
TypeScript入門『サバイバルTypeScript』〜実務で使うなら最低限ここだけはおさえておきたいこと〜
このドキュメントには、JavaScriptと共通する部分の説明もあります。すでにJavaScriptに慣れている人は、飛ばし読みしながら進めていくとよいでしょう。
TypeScriptの実行環境
TypeScriptは、tscでコンパイルしてJavaScriptにする以外にも、実行する方法があります。
最近のNode.jsでは、node --experimental-strip-types src/index.ts
のように--experimental-strip-types
を付けることで、TypeScriptをそのまま実行できていました。
そして、バージョン23.6.0以降では、--experimental-strip-types
なしでTypeScriptを実行できるようになるとアナウンスされています。
Node.js — Node v23.6.0 (Current)
Webブラウザーで直接実行することはできませんが、サーバーやローカルでTypeScriptを使う際は、今後はtscによるコンパイルは不要になっていくのでしょう。
また、以前からDenoを使えば、TypeScriptのファイルをコンパイルせずに実行可能でした。Denoは、Node.jsの作者が作った実行環境です。こちらもリンクを紹介しておきます。
Deno, the next-generation JavaScript runtime
第3章 まとめ
今回は、外部ライブラリとその他の情報をあつかいました。これで全5回にわたるTypeScriptについての連載は終了です。
プログラミング言語は年を追うごとに進化しています。時にはTypeScriptのように、外部から機能を拡張することで進化することもあります。
TypeScriptは、負担が少なく恩恵は多いプログラミング言語です。今後は、TypeScriptがJavaScript開発よりもスタンダードになっていく可能性があります。本連載が、皆さんのTypeScript学習の第一歩となれば幸いです。実際にコードを書きながら、必要に応じて知識を広げていってください!