ソースコードから仕様書を逆生成する「CodeRebuild AI」の衝撃
ブラックボックス化したレガシーシステムを刷新する際、最大の障壁となるのが「現状把握」だ。ドキュメントが存在しない、あるいは実態と乖離しているコードを解析する作業は、熟練エンジニアが数カ月かけて解読を行う「考古学」のような泥臭い工程となりがちである。
岡部氏が提示した解決策は、生成AIによる「解析(CodeRebuild AI)」と、プラットフォームによる「再構築(iPLAss)」をパイプライン化したアプローチだ。モンスターラボ社と連携した「CodeRebuild AI」は、COBOL、PL/I、VB.NETといったレガシー言語のソースコードを読み込み、設計情報の復元、構造の可視化、そして新システムへのコード変換までを一気通貫で実行する。具体的には、ソースコードから外部仕様書や内部仕様書を逆生成し、処理フローやデータ構造を解析してブラックボックスの中身を可視化する。さらに、レガシーコードをiPLAss(Java)の実装パターンに即したコードへと変換していく。
岡部氏は「AIによる自動生成だけでなく、専門家による最適化を組み合わせる」と強調する。生成AIの出力は100%ではないため、最終的にはエンジニアがアーキテクチャや業務ロジックをレビューし、現代の要件に合わせて「最適化」を行う必要がある。単なる言語変換(リホスト/リライト)ではなく、仕様を見直して作り直す「リビルド」を目指す点がこのサービスの大きな特徴である。
データモデル定義から即座にアプリが稼働──Javaエンジニアが違和感なく使える実装プロセス
解析・変換されたロジックを受け止める実装基盤としてのiPLAssの機能についても、デモ動画を用いて解説が行われた。デモでは、開発者コンソール(Admin Console)を用いて、アプリケーションが構築されていく様子が紹介された。
まずGUI上でエンティティ(テーブル)を作成し、カラムの型やバリデーションを定義する。すると、その定義に基づき、CRUD(登録・参照・更新・削除)機能を持つ管理画面が即座に自動生成される。さらに、ドラッグ&ドロップで「汎用検索」機能を追加したり、必要に応じてJavaでカスタムロジックを実装し組み込んだりする様子も示された。
基本的なCRUDや認証・認可、権限管理といった機能が自動生成されることで、エンジニアは「そのシステム独自の価値」であるビジネスロジックの実装に集中できる。デモ画面からは、Eclipseベースの開発環境やプロパティ設定画面など、Javaエンジニアが違和感なく入れる開発者体験(DX)が意識されていることが見て取れた。

