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米Adobe開発者に聞いた「AIRがやれること、やりたいこと、作ってくれる人のこと」

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2008/03/07 14:12

目次

AIR開発者に聞く「でもブラウザで事足りませんか?」

 しかし、「Web上の技術」を使っているとなると「今まで通りブラウザで表示させていたものを、わざわざデスクトップアプリで表示する必要はないのでは?」という疑問がわいてくる。

 そもそもAIRは、Adobeが提供するWebフレームワーク「Flex」の技術をデスクトップアプリ上でも使えるようにしたものである。AIRで行える「リッチな表現」のほとんどはFlexで表現可能であり、従ってブラウザで表示可能だ。Ajaxを使ったWebアプリケーションもまた、IEやFirefoxといったブラウザで表示できる。つまり、AIRのコンテンツのほとんどはブラウザでも表現できてしまうのである。

 果たして、これだけWebが普及した時代にデスクトップアプリケーションを開発するメリットはあるのだろうか。これに対しグルーバー氏は「いくつか重要な側面がある」という。

ユーザーとサービスが直通する

 1つ目は「デスクトップ上にアプリケーションを恒久的に確保できる」ということだという。例えばブラウザを使ってECサイトで買い物をする場合、ブラウザを起動して、特定のURLにアクセスし、Webサービスを呼び出して、ログインして、と何ステップも踏まなくてはいけない。また商品販売とは別に、ニュースサービスや会員制サービスなどを別に立ち上げている企業だと、それごとに専用Webサイトが生まれてしまい、ユーザーはあちこちにアクセスしたりログインしたりする必要が出てしまう。

 「これがAIRであればデスクトップアプリを起動するだけで一発でアクセスできるようになる。多くのサービスも一元化でき、よりダイレクトにユーザーに提供することができる。この『Webを使わずにサービスにアクセスできる』というのは重要な意味があると思います。そしてこれは企業やWebサービスにとっての『ブランディング』や『ユーザーへのより近いアプローチ』という大きなメリットにつながります」とグルーバー氏は語る。

 言うならば、AIRアプリをインストールすることで、ユーザーのデスクトップ上に自社サイトの支店を作るようなものである。こういったニーズは開発者よりも企業サイドからの要望が強く、「確かに技術者の方に『なぜデスクトップアプリケーションがいいのか』を説明するのは、ちょっと難しいかもしれない」と言う。

 「見せ方や、そこに行くまでの方向へのアプローチがだいぶ違うんです。インターネットに慣れていない方や、使う方のニーズにしてみればデスクトップアプリケーションがいいんじゃないかというのがあり、それを望んでいる人達がいるんです」(グルーバー氏)。

eBay Desktop
 ユーザーとサービスを直通させるAIRアプリの例として、eBayが提供する「eBay Desktop」がある。アプリケーションを起動すると自動でログインし、商品検索やチェックしていた新製品の発売情報、オークションへの出品などができるようになっている。普段はタスクトレイに格納され、最新情報をポップアップで通知する機能もある。
 

ブラウザの外に出られる可能性を知って欲しい

 さらにグルーバー氏は、「私たちはブラウザを置き換える、ということはまったく考えていないんです」と強調する。世界にあるアプリケーション全てがAIRに適しているかというと決してそうではなく、ブラウザにはブラウザのいいところがあり、デスクトップアプリケーションにはデスクトップアプリケーションのいいところがあると氏は述べる。

 「ただ、今までWebアプリケーションを作っていた人がデスクトップアプリケーションを作ろうとした際、良い環境・技術がなかった。AIRという製品を中間に1つ入れるだけで、今まで馴染んだ技術を使ってブラウザの制約を超えられる。アプリケーションのスキンやデザインも自由に変えられる。このことに大きな可能性を感じて欲しいのです」(グルーバー氏)。

「できる」と「簡単にできる」は違う

 また、アプリケーション開発においても強みがある。「確かに凄腕Ajaxプログラマであれば、素晴らしいWebアプリケーションが作れるかもしれない。でも、誰もが同じ物を作れるということに意味があるんです。そしてそれを目指しているのがFlexフレームワークとそれをデスクトップアプリケーション化したAIRなんです」と話す。

 実際に開発者からも、AjaxからFlexに乗り換えてアプリケーションを作ったところ、「楽になって良かった」という話をよく聞くという。見た目は同じかもしれないが、裏側の生産性や工数が全然違う点も重要なポイントだと述べていた。

今年のAdobeは開発者向け情報に力を入れていく


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