新言語「Agent Script」でAIエージェントのふるまいを定義
アプリ基盤の説明を受け、デモを担当したのはおだしょー氏だ。題材は、外部のWeather APIを呼び出す処理をApexで実装し、それをLWCとAIエージェントの両方から利用できるようにするもの。構成は3ステップ——外部アクセス処理のApex実装、Lightning Web Componentsへの組み込み、Agentforce Studioへのトピック・アクション追加だ。
VS Codeに専用Extensionをインストールした開発環境でApexクラスを編集しデプロイを実行する。LWCのコードについておだしょー氏は「よく見るとHTMLやJavaScriptなんです。標準のWeb開発の知見があれば普通に使えます」と話した。
続いてAgentforce Studioを開き、Agent Scriptに、天気に関する問い合わせを受け付けるWeather Inquiryトピックと、Weather APIを呼び出すアクションを追加した。Agent Scriptとは、AIエージェントの振る舞いを定義するためにSalesforceが開発した新しい言語だ。どのトピック(話題の分類)にどのアクションを対応させるかを記述すると、VS Code上にその構造がリアルタイムに反映されていく。この新言語は、登壇翌日の2月20日より正式公開された。
デモでは、天気APIの連携前では、「有明(イベント会場周辺)の天気を知りたい」とエージェントに問いかけると「窓の外を見れば分かるでしょう」と、素っ気ない返答をしていた。連携後に同じ質問を投げると、「今日の天気、気温は9度です。ランチに出かけるにはとてもいい天気ですね。どうぞ気をつけて。楽しいランチタイムを過ごしてください」と応じた。おだしょー氏はこの変化を「急に従順になりましたね」と言い添えた。ちなみに、連携前に素っ気なかったのは、そう答えるようにチューニングされていたからであり、Salesforceのエージェントがそういったキャラクター設定になっているわけではないことのフォローも忘れなかった。
デモでは、天気APIの呼び出しという決定論的な処理と、ランチへの言及という自律的な応答を自然に混在させた動きが、Salesforce基盤のエージェントで実現できることを示していた。稲葉氏はこのアーキテクチャについて「世の中一般的なエージェントフレームワークを使って構成し、運用管理する場合のインフラ部分がSalesforceになっていると捉えると、その便利さを感じていただけるのでは」と話した。
お馴染みの技術で開発できる!Salesforce開発の技術スタック
デモを踏まえ、稲葉氏はLWC・Apex・Agent ScriptというSalesforce開発の3技術について、習得のハードルを整理した。
まずLWCはHTML・CSS・JavaScriptで記述する。Vue.js/Reactの経験があれば違和感なく入れる技術スタックだ。次にApexは「ほぼJava」だと稲葉氏は説明し、「私はJavaの経験もあるので、そこまで習得の苦労もありませんでした」と続ける。さらに現在はClaudeやGeminiがコードを書いてくれるため、自分で全部を書く場面そのものが減ったと付け加えた。Agent Scriptは、「強いて言えばYAMLに近い」と稲葉氏は説明する。
開発ツールもVS Codeに専用Extensionを追加するだけだ。専用の統合開発環境を一から覚え直す必要はない。標準的な技術スタックと普段使いのエディタで、Salesforce開発の世界に入ることができる。また、Salesforceは外部システムからのAPIアクセスを受け付けるだけでなく、Apexを通じて外部サービスにアクセスする機能も備える。連携ソリューション開発者として活躍するキャリアパスもあり、その技術的なスキルもSalesforce基盤上で十分に発揮できると稲葉氏は説明した。

