ツールベンダーCodeGearは、都内で開発者向けイベント「第9回CodeGearデベロッパーキャンプ」を開催した。
ツールベンダーCodeGearは12日、都内で開発者向けイベント「第9回CodeGearデベロッパーキャンプ」を開催した。午前の部では、CodeGearとエンバカデロ社合併の件と、今後のCodeGear製品の展開についてオープニングセッションが行われた。
エンバカデロのCodeGear買収について
もともとボーランド社の子会社だったCodeGearは、今年5月にエンバカデロ(Embarcadero)社に買収されることが決定した。今回のデベロッパーキャンプでは、CodeGearデベロッパーリレーションズのアンダース・オルソン氏より、合併のメリットについて説明がされた。
この中でオルソン氏は、両社の合併が目指すものとして「世界最大の独立系ツールベンダーになる」という姿を示した。ワールドワイドで展開する両社は、750万人以上の参加者がいるデベロッパーコミュニティを持っている。加えてオルソン氏は、「特定のプラットフォームに縛られない独立系ベンダーという強みがある。多くのプログラミング言語、アプリケーションサーバ、データベース、OSをサポートすることができる」と述べた。
また、「データベース系製品に強いエンバカデロ」と「アプリケーション開発に強いCodeGear」の合併ということで、重複する分野が少なく、相互補完する形でシナジー効果が期待できる。両社が持つ製品群を組み合わせ、バンドル製品を提供していくといった、新たな展開も計画されているという。
今後、さらに2社間での協議をすすめ、7月より新会社「エンバカデロ・デクノロジーズ」としてスタートする準備をすすめていく方針となっている。
CodeGear製品の将来
続いて、今後のCodeGear製品バージョンアップについて紹介が行われた。CodeGearでは、さまざまなプログラミング言語・技術にあわせ、主に以下のような製品(IDE)を提供している。
- Delphi 2007 for Win32
- C++Builder
- JBuilder
- Delphi for PHP
- 3rdRail
Delphi/C++Builder
Delphi/C++Builderは、将来的に「最強のWindowsネイティブ環境」を追求していく。具体的にはWin32/Win64ネイティブやUnicodeサポートをはじめとするVCLエンハンスなどが盛り込まれる。
Delphi次期バージョン(コードネーム:Tiburon)では、DataSnapとdbExpressを拡張したコネクティビティの強化、Unicode対応、Delphi言語の強化が行われる。C++Builderでは、C++標準への準拠度を強化し続けるとともに、プリコンパイルヘッダのチューニングによる高速コンパイル機能などを備えていく。
JBuilder
次期バージョン(コードネーム:Grasshopper)は2008年後半リリース予定。テーマとして「Application Factoryの拡張」「ユーザー定義への対応」を掲げている。
主なバージョンアップとしては、Eclipse 3.4コアへのアップデート、JEE/オープンソースアプリケーションサーバフレームワーク向けのアップデート、チームライフサイクルワークフローの充実、Eclipseとの親和性向上などとなっている。
Delphi for PHP、3rdRail
Delphi for PHPの次期バージョン(コードネーム:Crocodile)は2009年前半に公開される予定。データベース設計機能の追加や、php.iniファイルの管理、JavaScript/Ajaxデバッグ機能、PHPリファクタリング機能などが実装される見込み。
RubyならびにRuby on Rails向けIDE「3rd Rail」は、新バージョンの開発がまさに始まったところで、多くのフィードバックを募集している状態だという。将来的にも、Rails開発を支援するツールという位置づけで、他のフレームワークのサポートなどは考えていないとしている。また、企業向け導入を目指す製品と位置づけられており、チーム開発や初級技術者が、障壁なく開発に参加していけるツールを目指していく。
【関連リンク】
・CodeGear Conferences Home Page
・まつもとゆきひろ氏「Rubyはビジネス用途で使われる段階に入ってきた」 :CodeZine
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