生産性を向上させTDDに対応したVS 2010
具体的に見ていこう。使い勝手やユーザーエクスペリエンスの向上といった意味で、まずスタートページが刷新されたという。WPFベースのグラフィカルな画面で、アイコンや画面構成がカスタマイズできるそうだ。また、「最近使ったプロジェクト」のリストの固定や削除、入れ替えが簡単にできるようになっている。
プロジェクトについてはマルチターゲットは当然可能なのだが、.NET Frameworkが4.0になると、じつはCLR(ランタイム)がバージョンアップされている。従って、マルチターゲットといっても2.0~3.5までのランタイム(CLR 2.0)と4.0のCLR 4.0にも対応しているということだ。そして、これらはソースコードレベルで互換性が保たれる予定だ。
続いてエディター機能だが、これは非常に力を入れた部分だという。コーディングの効率やデバッグのしやすさを意識した結果、いろいろな機能が追加された。まず、変数のハイライト表示によるコードの追跡性を向上させている。特定の変数を選択すると、コード内の同名の変数もハイライト表示される。Call Hierarchyは、メソッドを呼び出しているクラスや呼び出しの階層構造をたどれるように呼び出し元の情報などを表示できる機能となっている。メソッドの変更がどのクラスに影響するかが分かるようになる。
また、あまり必要性を感じない人もいるかもしれないが、文字サイズの拡大縮小がズーミングによって簡単にできるようになった。ズームアウトでコードの全体を表示させながら、必要なところをズームインしていくような使い方ができる。チーム開発でのコードレビューなどに使えるのでは、と紹介してくれた。そして、コードやファイルの構造の全体を俯瞰できる機能として、Document Map Marginという機能も追加される。現在ダウンロード可能なVisual Studio 2010のCTPにはまだ実装されていないそうだが、メソッドや変数、ブレークポイントなどの情報がコードの脇にカラーアイコンのようなマーカーが表示され、プログラムの構造が可視化される。
TDD(テスト駆動開発)のためのクラスやメソッドの自動生成機能も追加された。TDDとは、ターゲットとなるクラスをテストするクラスを作りながらコードを開発していく手法だ。デバッグ機能としては、64ビット混合モードでのデバッグなど対応環境が充実する。ブレークポイントのラベルによるグループ化、ブレークポイントのインポート/エクスポートも可能になる。特徴的な機能としては、デバッグ状況、メモリや変数の遷移の履歴が保存されるようになったことが挙げられる。これによって、トレース実行のとき、過去履歴へのステップバックや実行状況の再生が可能になる。うまく使えばデバッグ効率が上がりそうな機能だ。
その他、ウェブ開発、Office開発、SharePoint開発における機能強化点も紹介された。一般的なWindows開発では、XAMLの手作業編集を極力減らすUIなども工夫されているという。
