はじめに
本連載では、Curl Apps Galleryで公開されている見積デモの主な機能について詳しく解説していきたいと思います。Curl Apps GalleryとはCurlのサンプルアプリケーションが公開されているサイトで、Curlの技術者がアプリケーションを自由に閲覧、投稿できます。
現在、Apps Galleryには100を超えるサンプルが公開されていますが、その中でも頻繁にダウンロードされているのが「見積デモ」です。このサンプルは業務アプリケーションに特化したCurlの特徴をよく捉えており、Curlのアプリケーションの基本的な動作を理解するには最適なものとなっています。
今回は、この見積デモについて説明を行います。しかし、このサンプルは古いCurlのバージョンで作成されており、またソースコードが冗長になっている部分があります。本説明では現行のバージョン(6.0)に基づき、機能に応じてソースコードを最適化しながら解説していきます。そのためダウンロード可能なソースと内容が異なる部分がありますのでご注意ください。
見積デモの基本的な機能について
具体的な説明に入る前に、まず見積デモの機能的な特徴から見ていきましょう。見積デモは上下2つの画面から構成されています。
画面の上部には見積書の基本情報を入力する欄があり、これらの入力欄はフォーカスの移動と共にIMEの設定が切り替わるようになっています。例えば、「見積書カナ」の欄にフォーカスが入るとIMEは自動的に全角カタカナに変更されます。また、入力補助の機能も提供されており、日付を入力する際には横のメモ帳アイコンをクリックするとカレンダーが表示されます。
画面の下部はタブによって切り替えられるようになっています。最初に表示されるのは見積入力画面です。見積入力画面では商品を選択入力でき、商品の一覧は、左上のプルダウンからカテゴリを選択することで表示されます。
ユーザーは表示された商品をダブルクリックしたり、ドラッグ&ドロップで右の表にコピーしたりすることで商品の入力が行えるようになります。この商品のカテゴリや金額の情報はXMLで管理されており、XMLファイルを読み込むことによって商品の一覧を表示しています。
入力が完了したあと、見積書タブを表示すると見積書のプレビューを表示できます。
見積書のプレビューには先程の見積入力画面や基本情報の欄で入力された情報が表示されています。プレビューの情報は、見積入力画面や上部の基本情報を更新されるたびに自動で更新されます。見積書の内容を確認して『見積書発行』ボタンを押すと、見積書が印刷されます。
見積デモの主な機能は以上です。今回は見積入力の際に使用するRecordGridという部品について詳しく見ていきたいと思います。