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Webアプリケーションフレームワーク「Catalyst」入門

初めてのCatalyst入門(2)
Catalystアプリはどのように作るのか?

Catalystでの処理の流れ、主要なコンポーネントを解説

Catalystを構成するモジュール

 それでは、サンプルを動かしながらアプリケーションを構成するモジュールについて見ていきましょう。

 本記事のサンプルコードは、すべてUTF-8で保存してください。また、サンプルの実行はすべて組み込みサーバで確認しています。記事中でWebブラウザからアクセスする場合には、「http://<ホスト名またはIPアドレス>:3000/アクション名」のように指定しています。

 例えば、組み込みサーバを起動しているPCのIPアドレスが「192.168.123.69」でアクションのパス部分が「sample」の場合には、「http://192.168.123.69:3000/sample」というURLに置き換えて実行してください。

Catalyst::View::TTのインストール

 今回のサンプルでは、ビューとしてCatalyst::View::TTを使用するため、最初にインストールしておきます。

 Catalyst::View::TTは、出力のレンダリングにTemplate Toolkitを使用するCatalystのビューモジュールです。Template Toolkitの書式に従ったテンプレートにアクションで作成したデータを当てはめることでレスポンスを作成します。「Task::Catalyst」を最初にインストールしている場合は既に入っているのでこの作業は不要です。

 CentOSなどCPANからインストールする場合には、次のコマンドをrootユーザーで実行します。

リスト01:Catalyst::View::TTのインストール
# perl -MCPAN -e 'install Catalyst::View::TT'

 Windows上にActivePerlを使用してCatalystの環境を構築している場合には、「Perl Package Manager(PPM)」を使用してインストールします。PPMのメニューから[View]-[All Packages]を選択して、インストール可能なすべてのパッケージを表示させます。この中から「Catalyst-View-TT」を探して、インストールします。

図2:PPMでCatalyst-View-TTにマークを設定した画面
図2:PPMでCatalyst-View-TTにマークを設定した画面

サンプルアプリケーションのスケルトン作成

 今回使用するサンプルアプリケーションのスケルトンを作成します。この例では「HelloWorld」という名前で作成します。

リスト02:「HelloWorld」アプリケーションのスケルトンを作成する
$ catalyst.pl HelloWorld

アプリケーションクラス

 アプリケーションクラスとは、アプリケーションの設定や使用するプラグインの登録、そしてCatalystの拡張を行うことの出来るクラスです。アプリケーションクラスは、「lib」ディレクトリ以下にある「アプリケーション名.pm」ファイルが実体となります。サンプルの例であれば「lib/HelloWorld.pm」になります。

リスト03:「HelloWorld.pm」の一部
package HelloWorld;

use strict;
use warnings;

use Catalyst::Runtime 5.80;

# 省略

use parent qw/Catalyst/;
# (1)フラグとプラグインの設定
use Catalyst qw/-Debug
                ConfigLoader
                Static::Simple/;
our $VERSION = '0.01';

# 省略

# (2)アプリケーションの設定情報
__PACKAGE__->config( name => 'HelloWorld' );

 古いバージョンのCatalystでは、アプリケーションクラスでグローバルアクションを定義することが出来ましたが、5.66以降のバージョンでは、グローバルアクションはRootコントローラに定義するように推奨されています。

 アプリケーションクラスで設定できるフラグなどは次のようになります。

(1)フラグとプラグインの設定

 フラグの設定や追加するプラグインを「use Catalyst qw/~/;」で定義します。

 ここで設定可能なフラグには次のものがあります。

アプリケーションクラスで設定可能なフラグ
フラグ 説明
-Debug デバッグ出力を有効にする
-Engine 使用するエンジンを強制的に設定する。Catalyst::Engine::CGIを設定する場合には次のように設定する
use Catalyst qw/-Engine=CGI/;
-Home ホームディレクトリを設定する。次のように設定する
use Catalyst qw/-Home=\/home\/test\/myapp/」(※注1
-Log ログレベルを設定する。出力するログレベルが複数ある場合には、次のようにコンマで区切って設定する
use Catalyst '-Log=warn,fatal,error';
-Stats 統計情報の収集とレポートを有効または無効にする。有効にするには次のように1を設定する
use Catalyst qw/-Stats=1/

 qw演算子の区切り文字(この場合には「/」)と同じ文字を含む場合には「\」でエスケープします。また区切り文字には他の文字も使用できるため「use Catalyst qw[-Home=/home/test/myapp]」のように設定することもできます。

 デフォルトで登録されているプラグインは、「Catalyst::Plugin::ConfigLoader」と「Catalyst::Plugin::Static::Simple」の2つです。Catalyst::Plugin::ConfigLoaderは、設定ファイルで定義された値を読み込むためのプラグインです。YAML形式の設定ファイルにも対応しています。

 Catalyst::Plugin::Static::Simpleは、画像などの静的なファイルについてCatalystの処理を迂回して自動的に返すためのプラグインです。デフォルトではrootディレクトリ以下にある拡張子がtmpl、tt、tt2、html、xhtml以外のファイルを対象にします。

 プラグインを登録する際には先頭の「Catalyst::Plugin::」が省略可能となっています。

【コラム】その他のプラグイン

 デフォルトで読み込まれるプラグイン以外では、次のものがよく使われているようです。


主要なプラグイン
プラグイン名 説明
Catalyst::Plugin::Session セッション関連のプラグイン
Catalyst::Plugin::Authentication 認証関連のプラグイン
Catalyst::Plugin::FillInForm HTMLのフォームに自動的にデータを設定するプラグイン

 ただし、最近のCatalystでは内部操作が必要な場合などを除いて、プラグインの使用は非推奨となっています。古いプラグインの中にはサポートされなくなっているものもありますので、プラグインの使用には十分な注意が必要です。

 Catalystの機能拡張については Catalyst::Manual::ExtendingCatalystなどが参考になります。

(2)アプリケーションの設定情報

 Catalyst::Plugin::ConfigLoaderプラグインを使用する場合には、「helloworld.conf」などの外部設定ファイルで設定した値の方が優先されます。従って、アプリケーションクラスではデフォルト値を設定し、外部設定ファイルにはアプリケーションを配備する環境に依存する値を上書き設定できるようになります。

 configメソッドの引数はハッシュとなり、キーと値の組を登録します。

リスト03:config設定例
__PACKAGE__->config( name => 'HelloWorld',
                     foo  => { bar => 'baz'} );

 上記の例では、キー「name」の値として「HelloWorld」が登録されており、さらにキー「foo」の値としてハッシュが登録されています。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるLaravel実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 花田 善仁(ハナダ ヨシヒト)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。 2026年時点での登録メンバは約50名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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