コンテキスト
コンテキストオブジェクトは、アプリケーション内のさまざまな場所からアクセス可能なオブジェクトで、またコンテキストを通じてコンポーネント(Model/View/Controller)などにアクセスすることもできます。
コンテキストからアクセスできる重要なオブジェクトには次のものがあります。
| オブジェクト/モジュール名 | 概要 |
| Catalyst::Request | クライアントからのリクエスト情報を管理するモジュール |
| Catalyst::Response | クライアントへのレスポンス情報を管理するモジュール |
| config | アプリケーションの設定情報が格納されるハッシュ |
| Catalyst::Log | アプリケーションのログを管理するモジュール |
| stash | コンポーネント間でデータを共有するために使用するハッシュ |
Catalyst::Request
Catalystのリクエストオブジェクトにはクライアントからのすべてのリクエスト情報が格納されており、「$c->request」または「$c->req」のようにアクセスできます。リクエストオブジェクトでアクセス可能なメソッドはCatalyst::Requestで確認できます。
ここでは、User-Agentを表示する例を次に示します。
sub showuseragent :Local {
my ( $self, $c ) = @_;
# User-Agentを表示
$c->response->body( $c->request->user_agent );
}
「Root.pm」に「showuseragent」アクションを定義し、「$c->request->user_agent」を使用してWebブラウザのUser-Agentを取得します。
組み込みサーバを起動し、Webブラウザから「http://<ホスト名またはIPアドレス>:3000/showuseragent」にアクセスすると、使用したWebブラウザの情報が表示されていると思います。
Catalyst::Response
Catalystのレスポンスオブジェクトにはクライアントへ返すレスポンス情報が格納されており、「$c->response」または「$c->res」のようにアクセスできます。レスポンスオブジェクトでアクセス可能なメソッドはCatalyst::Responseで確認できます。
レスポンスのサンプルとして、同じHTML文字列を返す場合に、Content-Typeの値がtext/plainとtext/htmlのそれぞれの値として返す例を次に示します。
# Content-Type:text/plainの場合
sub astext :Local {
my ( $self, $c ) = @_;
$c->response->content_type('text/plain;charset=utf-8');
$c->res->body( '<html><body>Content-Typeによる表示テスト</body></html>' );
}
# Content-Type:text/htmlの場合
sub ashtml :Local {
my ( $self, $c ) = @_;
$c->response->content_type('text/html;charset=utf-8');
$c->res->body( '<html><body>Content-Typeによる表示テスト</body></html>' );
}
「Root.pm」にtext/plainで表示させるための「astext」アクションとtext/htmlで表示させるために「ashtml」アクションを定義し、「$c->response->content_type」を使用してWebブラウザに返すContent-Typeを変更します。
組み込みサーバを起動し、Webブラウザから「http://<ホスト名またはIPアドレス>:3000/astext」を実行すると、次のようにHTMLのタグまで表示されます。
次に「http://<ホスト名またはIPアドレス>:3000/ashtml」にアクセスすると、同じ文字列を設定したにもかかわらず「Content-Typeによる表示テスト」という文字だけが表示されます。
config
アプリケーションクラスや設定ファイルに記述した値が格納されているハッシュです。configへは「$c->config」のようにアクセスできます。
アプリケーション名を表示する例を次に示します。
sub showname :Local {
my ( $self, $c ) = @_;
# アプリケーション名を表示
$c->response->body( $c->config->{name} );
}
「Root.pm」に「showname」アクションを定義し、「$c->config->{name}」で設定情報からアプリケーション名「name」の値を取得しています。
組み込みサーバを起動し、Webブラウザから「http://<ホスト名またはIPアドレス>:3000/showname」にアクセスすると、「HelloWorld」が表示されていると思います。
Catalyst::Log
Catalystのログオブジェクトには、「$c->log」のようにアクセスできます。ログの種類には、debug/info/warn/error/fatalがあり、それぞれのメソッドに値を渡すことで重要度に応じたログ出力を行います。ログの出力先は標準エラー出力になります。
ログ情報を出力する例を次に示します。
sub outputlog :Local {
my ( $self, $c ) = @_;
# ログ情報の出力
$c->log->debug('Debug');
$c->log->info('Info');
$c->log->warn('Warn');
$c->log->error('Error');
$c->log->fatal('Fatal');
$c->response->body( 'Output log' );
}
「Root.pm」に「outputlog」アクションを定義し、「$c->log」を使用してログを出力します。組み込みサーバを起動し、Webブラウザから「http://<ホスト名またはIPアドレス>:3000/outputlog」にアクセスすると、組み込みサーバのコンソールに次のようなログが出力されていると思います。
[debug] Debug [info] Info [warn] Warn [error] Error [fatal] Fatal


