はじめに
本稿は、Visual Studio Team System 2008 Team Foundation Server(以下、TFS)の作業項目と、Office Project Server 2007(以下、Project Server)のタスクを、Project Server 2007 VSTS Connector(以下、PS Connector)を使って連携して利用しようということを扱うものです。前回は必要なサーバーの環境を作る手順を解説しました。今回はその環境を利用して、実践していく方法を解説していきます。
対象読者
- .NET Frameworkを利用した開発プロジェクトに携わっている人
- Visual Studio Team System 2008に興味がある人
- Team Foundation Serverの作業項目のカスタマイズに興味がある人
必要な環境と準備
前回の内容を参考に、TFS、Project Server、PS Connectorのインストールまでの作業が終わっていることが必要となります。
Project Server 2007 VSTS Connectorを使ってみよう
ここからはProject ServerのプロジェクトやTFSのチームプロジェクトを作成しながら実際に連携に至るまでのステップを確認していきます。まずはこれから行うシナリオを説明しますので、イメージを膨らませておいてください。
シナリオの確認
少し前回作成した構成を確認しながら、今回の作業シナリオを見ていきます。前回では、図1の上側に示すようにProject Server、TFS、PS Connectorの3種類をそれぞれ別々の端末にインストールしました。
今回は一部、サーバー側での作業も行いますが、図1の下側に示すようにクライアント側での作業がメインの作業になります。図1にある1~3に加え、作業後に確認も行いますので以下に示す都合4つの作業が今回の作業シナリオです。
- Project Professionalを使ってプロジェクトを作成し、Project Serverに登録する
- Team Explorerを使ってチームプロジェクトを作成し、TFSに登録する
- PS Connectorの管理サイトでプロジェクトとチームプロジェクトのマッピングを設定する
- プロジェクトのタスク、チームプロジェクトの作業項目を編集し、連携動作を確認する
それぞれの作業にはいくつかの注意点が存在するので、その点を重点的に補足しながら解説していきます。
Project Professionalでプロジェクトの作成
まずは、Project Professionalを使ってProject Serverに登録するプロジェクトを作成します。作業端末はProject Professionalがインストールされていて、Project Serverに接続可能な端末となります。ここでは、プロジェクトを作成した後に、TFSのチームプロジェクトの作業項目との関連付けを設定するのが最大のポイントとなりますので、そこを確実に押さえていきましょう。
具体的な手順は次のとおりです。
- Project Professionalを起動する
- Project Serverに接続するように設定されていない場合には、[ツール]-[エンタープライズオプション]-[Microsoft Office Project Server アカウント]の設定画面を開き、Project Serverへの接続情報を設定し、Project Serverに接続します。
- 通常の要領でプロジェクトのタスク情報を作成します。本稿では、図3のようなタスクを作成しました。なお、ここで作成するタスクは後で作成するチームプロジェクトの作業項目として登録される内容になりますので、それを踏まえたうえで作成するようにしてください。
- リソースの割当を行う場合は[ツール]-[エンタープライズからチームを作成]を選択し、Project Serverに登録されているリソースから選択して登録します。利用したいユーザー情報がない場合には、Project Server管理サイトからActive Directoryに登録済みでTFSも利用可能なユーザーを追加して利用するようにします。
- ビューを「タスク配分状況」に切り替えます。
- タスク名などの適当な列見出しを右クリックし、[列の挿入]から「AutoSync with External System」と「Enterprise WorkItem Type」の2つを追加します。
- 上記2つの列を利用して、自動同期をするかどうか、チームプロジェクトのどの作業項目とマッピングするかを設定します。本稿ではテスト的に図5のように設定しました。
- 以上が終了したら、Project Serverにプロジェクトを保存し、発行をします。なお、4番や6番の時に思うように表示されない場合には、その段階で一度、保存を行った上で試してみてください。
以上で、Project Professionalを使ってプロジェクトを作る手順は終了です。