はじめに
2010年8月27日(金曜日)にパシフィコ横浜で開催されたTech・Ed Japan 2010内のコンテンツ「Birds of a Feather(以下、BoF)」の1コマ、筆者も登壇したマイクロソフトのWebテクノロジ最前線と現実解を語ろうについてレポートを記します(図1)。
日本語のことわざで「類は友を呼ぶ」のこと。ある特定のテーマを取り上げる形式のセッションで、参加者も交えて意見交換をするなど、有用な情報が共有されるプログラムとして毎年好評です。5回目となる今年も、最新の技術動向や現場における話などを取り上げながら楽しめる場をご提供いたします。
BoFではタイトル通り、登壇者が考えた切り口で全体を説明した後、マイクロソフトのWebテクノロジ最前線と現実解について、ディスカッションしました。本稿ではざっくりとですが、BoFのレポートを記載します。
なお、本稿でのBoFとは「マイクロソフトのWebテクノロジ最前線と現実解を語ろう」のことを指しています。
また、本レポートを書くにあたり、登壇者の小野さん、竹原さん、またBoFに参加してくださった皆さんに感謝致します。
登壇者紹介
- 小野 修司(現実解担当)
- 竹原 貴司(デモと最前線担当)
- 長田 直樹(司会進行とWebテクノロジの整理:ナオキこと筆者)
現在のWebテクノロジの整理
BoF参加者の方の認識を統一するために、最初に筆者からWebテクノロジの整理を行いました。
Webに対しても本気なマイクロソフト
ナオキ:マイクロソフトはWebに対して本気です。ただし、さまざまな技術が出てくる中でどれを選択するべきか悩むこともあると思いますので、現在提供されているマイクロソフトの技術を整理します。
ASP.NETのカテゴリでいうと、ASP.NET Web Form(以下、Web Form)/ASP.NET MVC(以下、MVC)の他に新しく軽快なViewEngineとなるRazor(※1)があります。
Razorとは、無駄のない最適化されたHTMLをレンダリングする新しいViewEngineです。詳しくは@ITの記事を参考ください
サービス側にはWCF Data Services(以下、Data Services)とWCF RIA Services(以下、RIA Services)があります。サーバーとクライアントのプロトコルにはJSONやODataが使用され、クライアントサイドではJavaScriptやjQueryの他にSilverlightなどが使われています(図2)。
これらの概要を挙げてみます。サーバーサイドでは、ASP.NET周辺テクノロジ(Web Form、MVC、Dynamic Data、Razor)の他に、サービス(RIA Services、Data Services)が挙げられます(図3)。
続いてクライアントサイドテクノロジです。パフォーマンスの良い軽快なサイトを作るために、ASP.NET 2.0ではあまり意識していなかったクライアントサイドなどを意識することが重要になりつつあります(図4)。
技術が増えることで開発ツールも増えてきています。ベースとなるのはもちろん「Visual Studio」ですが、他にもサンデープログラマー向け無償のWeb開発ツール「WebMatrix」や業務プロフェッショナルが開発するために利用する開発ツール「LightSwitch」といった製品も出てきています。