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正式リリースされたWindows Azureの力

Windows AzureでASP.NETのメンバーシップ機能を使用する

正式リリースされたWindows Azureの力(6)

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開発ストレージを確認してみよう

 さらに、開発ストレージにメンバーシップ関連のデータが作成されていることを確認してみましょう。このために、Windows Azure管理ツールを使用します。

 Windows Azure管理ツール(Windows Azure MMC)は、Windows Azureトレーニングキットと同じく、Windows Azure Platformの公式サイトの[ツールとダウンロード]ページからダウンロードできます。

 Windows Azure管理ツールを起動し、左側のコンソールツリーから[Windows Azure Management]を展開し、[Storage Explorer]をクリックします。次に、右側の[操作]ウィンドウから、[Connect Local]をクリックします。すると、コンソールツリーに[devstoreaccount1]が表示され、開発ストレージのデータを参照することができます。

 図18は、テーブル内のMembershipテーブルの内容を表示したものです。先ほどサンプルから作成した2件のユーザーのデータを確認することができます。同じように、Rolesテーブルにはロール関連のデータが格納されています。

図18 Windows Azure管理ツールによるメンバーシップデータの表示
図18 Windows Azure管理ツールによるメンバーシップデータの表示

 なお、Visual Studioのサーバーエクスプローラーで、開発ストレージの[Membership]テーブルや[Roles]テーブルの内容を表示しても、同じように作成されたメンバーシップ関連のデータを確認することができます。

クラウド環境への配置

 クラウド環境への配置方法は、基本的には前回までの記事で述べた方法と同じです。ただし今回は、AspProvidersプロジェクトがWindows Azureストレージを使用しますので、クラウド環境のWindows Azure上にHosted Servicesに加えてStrorage Accountも作成しておく必要があります。

 そして、サンプルの作成手順の4.と5.で設定した接続文字列を、開発ストレージ用からクラウド上のWindows Azureストレージ用に変更する必要があります。

 具体的には、AzureMembershipSampleクラウドサービスプロジェクト内のServiceConfiguration.cscfgとWebRole1プロジェクト内のWeb.configにある、DataConnectionStringやDiagnosticsConnectionStringの値を「UseDevelopmentStorage=true」から「DefaultEndpointsProtocol=https;AccountName=<ストレージアカウント名>;AccountKey=<ストレージアカウントのアクセスキー>」に変更します。<ストレージアカウント名>や<ストレージアカウントのアクセスキー>の内容は、Windows Azure開発者ポータルにログインしてブラウザー上から知ることができます。リスト4は、WebRole1プロジェクト内のWeb.configの変更例です(太字部分)。

リスト4 クラウド上のWindows Azureストレージ用に接続文字列を修正(Web.config)
<configuration>

  <appSettings>
    <add key="DataConnectionString" value="DefaultEndpointsProtocol=https;AccountName=myaccount;AccountKey=myaccountkey"/>
  </appSettings>
  ...
</configuration>

 クラウド環境への配置方法の詳細については、第4回の記事の「クラウド環境への配置」を参照してください。

まとめ

 最終回となる今回は、Windows AzureでASP.NETのメンバーシップ機能を使用する方法について取り上げました。AspProvidersプロジェクトを使用するなら、ユーザー認証の機能を持ったクラウドアプリケーションを簡単に作成できることがお分かりいただけたと思います。

 本連載では、正式リリースされたWindows Azureやストレージなどを使用した初歩的なプログラミングについて解説してきました。しかしながら、Windows Azureと周辺技術は日々速い勢いで進化し続けており、現時点でもSQL AzureやAppFabricなど紹介しきれなかった多くの技術や機能があります。本格的なクラウドの時代となりつつある今、共にこれからもWindows Azureに熱い視線を送り続けていきましょう。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 広瀬 嘉久(株式会社ジェイテックジャパン)(ヒロセ ヨシヒサ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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