開発ストレージを確認してみよう
さらに、開発ストレージにメンバーシップ関連のデータが作成されていることを確認してみましょう。このために、Windows Azure管理ツールを使用します。
Windows Azure管理ツール(Windows Azure MMC)は、Windows Azureトレーニングキットと同じく、Windows Azure Platformの公式サイトの[ツールとダウンロード]ページからダウンロードできます。
Windows Azure管理ツールを起動し、左側のコンソールツリーから[Windows Azure Management]を展開し、[Storage Explorer]をクリックします。次に、右側の[操作]ウィンドウから、[Connect Local]をクリックします。すると、コンソールツリーに[devstoreaccount1]が表示され、開発ストレージのデータを参照することができます。
図18は、テーブル内のMembershipテーブルの内容を表示したものです。先ほどサンプルから作成した2件のユーザーのデータを確認することができます。同じように、Rolesテーブルにはロール関連のデータが格納されています。
なお、Visual Studioのサーバーエクスプローラーで、開発ストレージの[Membership]テーブルや[Roles]テーブルの内容を表示しても、同じように作成されたメンバーシップ関連のデータを確認することができます。
クラウド環境への配置
クラウド環境への配置方法は、基本的には前回までの記事で述べた方法と同じです。ただし今回は、AspProvidersプロジェクトがWindows Azureストレージを使用しますので、クラウド環境のWindows Azure上にHosted Servicesに加えてStrorage Accountも作成しておく必要があります。
そして、サンプルの作成手順の4.と5.で設定した接続文字列を、開発ストレージ用からクラウド上のWindows Azureストレージ用に変更する必要があります。
具体的には、AzureMembershipSampleクラウドサービスプロジェクト内のServiceConfiguration.cscfgとWebRole1プロジェクト内のWeb.configにある、DataConnectionStringやDiagnosticsConnectionStringの値を「UseDevelopmentStorage=true」から「DefaultEndpointsProtocol=https;AccountName=<ストレージアカウント名>;AccountKey=<ストレージアカウントのアクセスキー>」に変更します。<ストレージアカウント名>や<ストレージアカウントのアクセスキー>の内容は、Windows Azure開発者ポータルにログインしてブラウザー上から知ることができます。リスト4は、WebRole1プロジェクト内のWeb.configの変更例です(太字部分)。
<configuration> <appSettings> <add key="DataConnectionString" value="DefaultEndpointsProtocol=https;AccountName=myaccount;AccountKey=myaccountkey"/> </appSettings> ... </configuration>
クラウド環境への配置方法の詳細については、第4回の記事の「クラウド環境への配置」を参照してください。
まとめ
最終回となる今回は、Windows AzureでASP.NETのメンバーシップ機能を使用する方法について取り上げました。AspProvidersプロジェクトを使用するなら、ユーザー認証の機能を持ったクラウドアプリケーションを簡単に作成できることがお分かりいただけたと思います。
本連載では、正式リリースされたWindows Azureやストレージなどを使用した初歩的なプログラミングについて解説してきました。しかしながら、Windows Azureと周辺技術は日々速い勢いで進化し続けており、現時点でもSQL AzureやAppFabricなど紹介しきれなかった多くの技術や機能があります。本格的なクラウドの時代となりつつある今、共にこれからもWindows Azureに熱い視線を送り続けていきましょう。