はじめに
最近、作成した文書や資料をPDFにして配布・閲覧する機会が多くなっています。どんなアプリケーションでも印刷機を介してPDFファイルに変換できる印刷ドライバが出回っていますが、どうせなら、独自のアプリケーションに最初からPDFを作成してくれる機能を組み込みたいですね。
ComponentOne Studio Enterprise 2011JのPDF for .NETコンポーネントに収録されているC1PdfDocumentコントロールは、アプリケーションにPDFファイル作成機能を提供してくれるコントロールです。通常データのPDF化はもちろん、書式を持ったリッチテキスト(.rtf)もそのままPDFに変換でき、プロパティの設定、電子署名、セキュリティ、圧縮、アウトライン、ハイパーリンク、添付ファイルといったPDFの高度な機能の大部分を使うことができます。
今回はこのC1PdfDocumentコントロールを使い、書式とプロパティを持った文書をPDFドキュメントとして保存するWindowsアプリケーションを作ってみました。
対象読者
Visual Basic、Visual C# 2010を使ってプログラムを作ったことのある人
必要な環境
Visual Basic 2010、Visual C# 2010、Visual Studio 2010でプログラムが作れる環境。なお、本プログラムはWindows Vista上で動作するVisual Studio 2010を使用して作成し、動作確認を行っています。
PDF for .NETを使って作成したアプリケーションを配布する場合、アセンブリファイルを添付する必要があります。アプリケーションを正常に動作させるためには、次のファイルをインストールする必要があります。
ファイル | 内容 |
C1.C1Pdf.2.dll | 本体アセンブリ |
C1.C1Pdf.4.dll | 本体アセンブリ(※) |
上記のファイルを、プログラムを実行するフォルダにフォルダ構成を変えずに格納します。なお、本サンプルプログラムを実行するには、Adobe Readerがインストールされている必要があるため、ご注意ください。
コンポーネントのインストール
この記事の手順を試すには、Visual Studio、Visual Basic、Visual C#の開発環境にComponentOne Studio Enterprise 2011J(または、ComponentOne Studio for Windows Forms 2010J)をインストールする必要があります。インストーラは、グレープシティのWebページからダウンロードできます。
製品のトライアル版一覧ページにてダウンロードしたい製品にチェックを入れ、ページ右上部の[申込フォーム]をクリックしてグレープシティのWebサイトへ必要情報を登録すると、添付トライアルライセンスキーファイルとダウンロードサイトを記載したE-Mailが送られてきますので、ここからダウンロードします。制限事項などの詳細については、インストーラに同梱されているリリースノートを参照ください。
コントロールの追加
ComponentOne Studio Enterprise 2011J(または、ComponentOne Studio for Windows Forms 2010J)をインストールしたら、ツールボックスに専用のタブを作成し、使用するコントロールを追加します。追加するコントロールは、アセンブリ名が「C1.C1Pdf.4」の「C1PdfDocument」です。