解説
プログラムでは、関数の処理をメモリー上で管理しています。そのため、再帰関数のように、大量の関数を同時に利用するような処理を書いた場合には、そのメモリー領域を使い切ってしまうことがあります。そういった状態になることを「スタック オーバー フロー」と呼びます。
スタックとは「積み重ねる」という意味です。プログラムでは、関数の処理が「どこから呼び出されて、どこに戻らないといけないか」の情報を積み重ねていき、利用し終わったらその積み重ねを取り除いていきます。この情報を積み重ねる場所を「コールスタック」(関数スタック 他)と呼びます。
普通にプログラムを書いていると、スタック オーバー フローのような状態にはなりませんが、再帰処理ではこういったエラーが出る危険性があります。特に、終了条件を間違ってしまうと、関数を管理するスタックを使いきって異常終了したりします。
ループ処理で無限ループにならないように気を付けるように、再帰処理ではスタック オーバー フローにならないように気を付けてください。
サンプル
スタック オーバー フローになる処理を、JavaScriptで簡単に書いてみます。
以下のサンプルは、ブラウザで普通に開いても何も表示されません。開発者用の出力欄を表示させた場合に、エラーが表示されます。
いくつかのブラウザで、出力欄を表示させる方法を示します。
Internet Explorer
[F12]キーを押す。[コンソール]タブを選択する。
Google Chrome
[Ctrl]+[Shift]+[J]キーを押す。
Mozilla Firefox
[Ctrl]+[Shift]+[K]キーを押す。
<html> <head> <title>「スタック オーバー フロー」のサンプル</title> </head> <body> <pre><script type="text/javascript"> // スタック オーバー フローになる処理 function bugFunc() { bugFunc(); } // 処理を開始 bugFunc(); </script></pre> </body> </html>
Internet Explorer スタック領域が不足しています。 次の行でスタック オーバーフローが発生しました Google Chrome Uncaught RangeError: Maximum call stack size exceeded Firefox too much recursion